四谷怪談

 朝8時に起きて、渋谷のシアターコクーンへ行く。
 コクーン歌舞伎『東海道四谷怪談』の当日券を並んで買う。
 立ち見席。

 上手側の2階で、本当に立って見るためのスペースしかなかった。
 3時間20分立ったままということは、乗車率200%の新幹線で大阪に行くようなものだ。
 だが芝居が始まると、思ったより苦にならなかった。

 中村勘三郎の演技はジャンルを飛び越える。
 初めて見る人でも、その演技を楽しむことができる。
 その能力こそが、勘三郎の大衆性を支えているのだなと思った。

 名調子が耳に心地よかった。
 それは生理的なもので、能書きはまったく要らない。
 音楽を聞いてうっとりするのと同じだ。
 歌舞伎座でやる時と違って、弦楽器や管楽器の生演奏が入っていた。
 普通の歌舞伎を見る時よりも音楽的に感じられたのはそのためだろう。

 それから中村七之助の女形を初めてかわいいと思えた。
 あれは、女の子だなあ。
 同行のモチメにそのことを言うと、重力が5倍になったかのような重々しいうなずきが帰ってきた。
 しかしあんなに愛らしいんじゃ、刑務所なんかに入ったら大変だ。
 行列ができるぜ。
 以前タクシーの運転手とトラブルを起こして警察の厄介になってたけど、大丈夫だったろうか。

 終演後、ファーストキッチンで遅めの昼食。
 その時間帯はバイト君達の訓練用だったのか、レジは妙にもたもたしていた。
 頼んだアイスコーヒーは紅茶より薄い色をしており、思わず心優しいクレーマーになって取り替えてもらう。
 しかし、新しくきたコーヒーもやはり薄かった。

 夕方5時帰宅。
 大相撲千秋楽、優勝決定戦を見る。
 朝青龍が白鵬に勝ち、16度目の優勝を飾った。
 ここぞというところでは、まだまだ横綱は強い。
 しびれる勝ちっぷりだった。

 夜9時、ジョギングへ。
 事前に地図で片道5キロ地点を調べた。
 環八に出て南下し、芦花公園を越えたあたりまで走れば丁度良さそうだった。

 ところが環八外回りの歩道には甲州街道を渡る横断歩道がなかった。
 いちいち信号待ちをして内回りの歩道に渡るのもめんどくさかったので、そのまま甲州街道を右折し、適当なところでさらに右折した。
 中央自動車道を目印にして久我山に出る。
 そこからは知った道だ。
 しかし、予定より距離は短かった。
 8キロと少しくらいだろうか。

 シャワーを浴び、チャーハンを作る。
 少しべたついた仕上がりになってしまった。

 反省しながらチャーハンを食べ、地図で今日走ったコースを確認する。
 やはり8キロだった。
 甲州街道を右折してから烏山まで走れば丁度片道5キロだが、コの字型コースは走ってもあまり楽しくない。
 しかし、そのまま北上して久我山を経由しても10キロには満たないし、三鷹台のあたりまで足を伸ばすと今度は13キロオーバーになってしまう。
 距離の調節が難しい。
 とにかく、目安としての10キロ地点を確保しないと、心休まるジョギングライフを続けられない。
 なんだか、引っ越し直後の猫みたいな気分だ。

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