アンサンブル演技に酔い痴れ

朝10時起き。
洗濯をし、買い物に行く。
おでんセットが安かったので、それに大根とこんにゃくを合わせて買う。
みぶな、カブも買う。

うちに帰り、おでんを仕込む。
カブとみぶなはそれぞれ浅漬けにする。

1時に家を出る。
新宿のシアターモリエールへ、ショーGEKI公演『壁を叩け 歌を叫べ』を観に行く。
松原さんからチケット購入。

受付にて坂本亜美ちゃん、伏見さんと会う。

鉄パイプを張り巡らせた舞台美術だった。
劇団の人が会場整理とパンフ販売を同時に行っていた。

客入れに、THE WHOの “My Generation”が流れた。
Duran Duranの”Ordinary World”も流れた。
Cream の”White Room”も流れた気がする。

幕が開く。
地震によりフロアが崩壊したビルに、生存者救助のため進入するレスキュー隊の話だった。
男4人が救助隊を演じ、女4人がコントロールセンターの指揮隊を演じる。
配役に4パターンあり、回によってキャストの組み合わせが違うらしい。
昼の回で松原さんは遭難者を演じていた。

芝居に流れる音楽がロックばかりだった。
わかる範囲でメモをした。

Huey lewis & The News / Power Of Love
Janis Joplin / Move Over
Led Zeppelin / 移民の歌
Steppenwolf / Born to be wild
Guns N’ Roses / Welcome to the Jungle
Rolling Stones / Jumpin’ Jack Flash
Bon Jovi / Livin’ On A Prayer
U2 / Where The Streets Have No Name
U2 / I Still Haven’t Found What I’m Looking For
Aerosmith / Walk This Way
The Knack / My Sharona
Doors / Light My Fire
Deep Purple / Highway Star
Jimi Hendrix / Purple Haze
Van halen / Hot For Teacher
Mr. Big / To Be With You
Queen / Don’t Stop Me Now
Derek & The Dominos(Eric Clapton) / Layla
Bob Dylan / Like A Rolling Stone

オレのipodか?
ってな感じの選曲であった。
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの曲が客入れ最後の曲。
ディランの曲は、客出しの一発目だった。
他にもあったが、メモをしたのは途中からなので、忘れたのもある。

指揮隊がコントロールルームで流す大音量のロックは、無線を通じて救助隊にも届いている。
救助隊は崩れたビルの中を這い、生存者を確認しながら進んでいく。
ビルの中には生き残った男と女がいる。
二人の遭難者は、生き延びるために出口を探して這い進む。
指揮隊のコントロールルームには、管理サイドの人間も来ている。
現場のことがわからない事務専門職といった感じの人間で、救助隊や指揮隊の素行を苦々しく感じている様子だ。

舞台中央にパイプで組まれた可動式のステージがあり、そこが指揮隊の部屋という設定。
指揮隊のシーンになると、舞台前方にせり出してくる。
救助隊の面々は、文字通り舞台をはい回りながら、劇場のあちこちで芝居をする。
指揮隊のステージの周りを這い、パイプの下をくぐり、客席の間を歩く。
抽象的な舞台美術は、救助隊が這い、伝い、登り、演じるほど、本物のビル倒壊現場に見えてくる。
そしてリアリティが増したその時に、手で触れられそうな距離で救助隊達が通路を歩くと、我々の座っているこの劇場が倒壊寸前のビルに思えてくる。

これこそ、演劇でしかできないことだ。

役者は皆上手いが、誰か一人特別に上手い人がいるといった類の演技ではなかった。
男4人、女4人と男1人、遭難者2人組といった組み合わせのアンサンブルにより、演技の印象が作られていた。
だから、組み合わせが変わればどうなるのだろうという興味が生まれる。
キャストの組み合わせを4パターンにした意味があるというものだ。

救助隊が遭難状態になるあたりから、我を忘れて芝居にのめり込んだ。
音楽で言えばU2の”Where The Streets Have No Name”が流れるあたり。
ジャッキを使い、ふさがった入り口を持ち上げ、狭い空間を脱出し、さらに奥へ救助に向かうシーンだ。
全身に鳥肌が立った。

救助隊はどんどん傷ついていき、ビルの倒壊は刻一刻と迫る。
お話自体はそれほど複雑ではないが、役者の演技が見る側にリアルな感じを抱かせるため、引いて見るということをさせない。
とにかく、没頭させてくれた。

いい舞台であった。心の底からそう思った。
自分は舞台側の人間であるから、ひと様の舞台はどうしてもテクニカル面を見てしまうし、それゆえに一般のお客さんと比べて没頭できない傾向がある。
にもかかわらず、今日の芝居は本当に久しぶりに観劇に集中した。
心の底からハラハラドキドキし手に汗握り、芝居が終わり一生懸命拍手をし、感動が散ってしまわないために誰とも話さず劇場を出て、呆然とした気持ちを抱えたまま街を歩いた。
うらやましい。おれもああいう舞台に出てみたい。

中野へ行き、大勝軒でつけそばを食べてから、マックへ行き本を読んで時間をつぶす。
夜7時から、こばちゃんとねこさんが客演する舞台があるのだ。
そろそろ出ようかと思っていると、後ろから小田さんに声をかけられる。
「ねこちゃんの芝居? 良く会うね」
そういって小田さんは先に出ていった。
変な本を読んでいなくて良かった。
エロ本とか。

7時よりザ・ポケットにて劇団芝居屋『喫茶店物語・再会』観る。
手相のうまい喫茶店のママがおり、占いをしてもらいにやってくる客のため、店はそこそこ繁盛している。
ところが、店の改装でお金を借りた相手が破産してしまい、その債権がやくざの手に渡ってしまった。
店を守るため、常連達は色々と策を練る・・・といった感じのストーリー。

ねこさんとこばちゃんは黒スーツを着て、やくざの手下を演じていた。
実はやくざになって間もない、ぺーぺーという設定だった。
シークレットシューズを履いていると、面白いんじゃないかと思った。
化けの皮を剥がされたら靴を脱ぎ、身長まで縮むみたいな。
でも舞台でわかるためには、20センチくらい身長がアップするものを履かないとダメか。

主演の女優さんはベテランの方で、啖呵の切り方が堂に入っていた。

若者は常に愚かで、年長者に対してミスを犯すが、やがては反省し、年長者の言うことを聞く。
作品の根底に、そのような思想があるように思えた。
ただ、若者の愚かさをことさらデフォルメして表現しようとするのは気になった。
冒頭、占いの順番待ちをする若い女のキレる演技とか。
同じシーンで、結婚をやめろと否定された時に頑なになる女の演技とか。
結婚相手の男の独りよがりな怒りとか。

単純にそこまでひどい人間はいないし、いるとしたら年齢に関係なく、おばちゃん層にも若い層にも平均的にいると思う。
非を認めて謝るという展開も、現実的に絶対あり得ないゆえに、そうあって欲しいと作り手が願うファンタジーなのだと思って観ることになる。

ファンタジーならば、ファンタジーとしてデフォルメをより強烈に味付ける生き方が、役者には選択できよう。
シークレットシューズも、そういう意味では馬鹿な案ではなかろう。

終演後、こばちゃん、ねこさんに挨拶する。
ねこさん、来年の宇宙キャンパスに出演が決まったらしい。
共演することになった。
わいわい楽しめると良いなと思う。

一日二本観劇のため、やたらに疲れて帰宅。
つけそばを食べたのは4時台だったので、帰宅してからおでんとご飯、カブの浅漬けを食べた。
カブは塩抜きに失敗し、かなり塩辛かったので、もう一度塩抜きをする。

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