朝4時起き。昨夜やっと寝られたのが1時か2時だったので、睡眠時間はごく短い。
植木の水やりをし、いくつかは室内に入れ、プランターは影が出来る場所に移動した。水耕栽培トマトときゅうりに養液をたっぷり補充した。
朝飯にハムサンドを食べ、洗い物をし、4時半に家を出る。LUUPで中野へ。新宿に出て山手線で品川。京急で羽田へ。ホームに立っていると汗が出た。
羽田空港は混んでいた。京急ホームからエスカレーターで上がるとき、前の初老男性のリュックから水が滴り落ちていた。中に入れた飲み物の蓋が緩んでいるかもしれないと思った。エスカレーターを上がりきる直前に男性の足をたたき、「リュックの底から水が漏れてますよ」と伝えると、男性は慌てて、リュックを肩から外し、小走りに壁際に行って中を調べていた。

事前チェックインを済ませていたので、スマホ片手に保安検査場へ。
6時55分発の新千歳行きに搭乗。
機内で、ヨハン・ハリ『奪われた集中力』読む。ネットなしで生活してみる話と、フロー状態についてなど。
8時過ぎに新千歳到着。
12時半に利尻島行きの飛行機に乗り換える予定だったが、時間があるので、早めの昼飯を食べに札幌に出る。新さっぽろまでJRで行き、地下鉄でバスセンター前へ。車両の窓が開いており、音がうるさく、吹き込んでくる風で髪がぐしゃぐしゃになった。
バスセンター前を出て二条市場方面に向かう。海鮮関係の食堂や販売店に、観光客が列をなしていたが、日本人より中国韓国系の人が多かった。ウニ丼の値段表記が『時価』となっていた。

『だるま軒』に入り、醤油ラーメンと小さいカレーのセットを食べた。ラーメンのスープは淡く優しい味で、カレーは昔ながらのおうちカレーだった。

食べ終わってすぐ、バスセンター前に戻る。新千歳からの交通費は往復2000円以上かかるのに、ラーメンとミニカレーだけ食べただけで空港に戻るのは若干業腹ではあったが、空港で3時間待ちよりはマシだろう。
新さっぽろでJRに乗り換える。空港の前の駅で、窓際に立っていた中年女性がよろめいた。中学生くらいの娘さんが「ママ! 大丈夫?」と声をかけていたが、女性は一点を見つめたまま、何の反応もしなかった。席に座っていた人が譲ろうとすると、同じく中学生くらいの息子くんが「次ですから」と断った。次の駅に着く寸前に、女性はまたふらついて、しゃがみ込みそうになった。「ママ!ママ!わたしわかる?」と娘が言い、息子は母の腕をとって歩かせようとした。ドアが開いたが、母は取っ手を握って離さなかったので、息子が母の指を剥がそうとした。しかし、ぎゅっと握っていて離さなかったので、とっさに助太刀して、指を剥がしてあげると、彼女はこちらの手首をつかんだ。すごい力だった。あわててもぎ離すと、息子がその手を握り、母を抱えて降りていった。ホームに降りた他の客が駅員を連れてきていた。
新千歳空港に着くと、出発時間まで1時間を切っていた。すぐ保安検査場を通った。
出発前に、雪印パーラーの千歳ソフトを食べた。

12時半、利尻島行きの飛行機に乗る。
およそ1時間で利尻空港に着いた。早速、外のバス停に行き、鴛泊フェリーターミナルに行くためのバス時刻表を確認した。14時1分発のバスに乗れば良かった。
空港の外で気温を確認した。27度だった。

今日の東京は、最高気温38度に達すると予想されていた。明日、明後日もそのくらいの気温になるようだった。利尻行きの日程を今日からにしておいて本当に良かった。38度からの脱出。脱北ではなく脱南だ。
14時1分のバスに乗り、鴛泊フェリーターミナルで降り、近くにあるカーシェアのステーションに行き、予約していた車を借りた。カーシェアを使用するのは初めてだったので、借り方を動画で確認しながら借りたが、慣れればLUUP並みにあっさり乗れるだろうし、そうなると便利だろうと思った。
島の外周道を時計回りに走り、姫沼へ。






沼をゆっくり歩いて回った。風が吹いていなくても、空気が涼しくて心地よかった。東京でいえば、5月や10月頃の気候だった。
島の南東部にある菓子店『寺嶋菓子舗』へ。名物の利尻プリンを買い、店の外にあるベンチで食べた。プリンの瓶を返すと、預かり保証金の20円が戻ってきた。プリンの他にケーキも売られていた。

沼浦展望台へ。お菓子の『白い恋人』パッケージにある山は利尻富士で、この展望台の名前は、別名、白い恋人の丘というらしかった。

しかし、集っている観光客の皆様は、ご年配で、白髪の恋人という感じだった。
丘から道を挟んで向かいのオタトマリ沼へ。


ここも姫沼と同じく、沼の周囲を歩ける遊歩道があったが、時刻はすでに4時を過ぎていたので、沼からの景色を眺めるだけにした。沼の表面に利尻富士が映っていた。
島の南西に移動する。
仙法志岬公園へ。海辺に出た。岩場だった。昆布干しをする人の小屋があった。小屋の入口には『寂しいので何でも話しかけてくださいね』という張り紙がしてあった。しかし、小屋には誰もいなかった。



時刻は4時45分を過ぎていた。宿のチェックイン時間は6時だったので、色々見て回るのはやめにして、宿のある島西部の沓形地区に向かった。
5時半に沓形地区に着いた。まだ少し時間があったので、沓形岬に行き、海越しに礼文島を見た。


5時45分に宿へ。説明を聞き、近くの日帰り温泉の入浴チケットを半額で購入した。
荷物を部屋に置き、すぐに日帰り温泉へ。



サウナと冷水浴を三往復した。冷水は水温が14度でかなり冷たかった。そのあと、露天風呂に入り、熱い温泉に入り、ぬるい温泉に入り、最後に冷水シャワーを浴びて上がった。男湯入口に血圧計があった。測ると、上が127で下が81だった。入浴後は血圧が低くなるので、やはりまだ高いかもしれない。温泉施設を出ると時刻は7時だった。日は沈んでいたが、西の空はオレンジ色に染まってきれいだった。
夕食がてら一杯やるため、居酒屋に行ってみると、店主が申し訳なさそうに、もうラストオーダーが終わったと言った。このあたりの店は閉まるのが早いようだった。他の店を探そうかと思ったが、無理して店で飲むことはないと思い直した。
セイコーマートで、北海道限定のカップ麺、ずんだあんパン、缶ビールを買い、宿で食べ、飲んだ。




外からは、かすかに音楽が聞こえてきた。今日は、利尻浮島まつりをやっているらしかった。そのうち、花火の音が聞こえた。外に出て、音をたよりに彷徨うと、山方面で上がる花火を見ることができた。




まつりをやっている場所はよくわからなかったが、花火まで見ることができたのだから、これで十分と思うことにした。
目覚ましをセットし、10時半就寝。