電線音頭とミキちゃん

 『半身』を読み終わってしまったため、朝実家を出る時、久し振りに読む本がなくて困った。
 読める活字なしに電車に乗ると、酸素ボンベなしで海に潜ったような気になる。
 しかたないから車内吊り広告を読むが、すぐ飽きた。

 昼、図書館で、笠井潔『哲学者の密室』借りる。
 文庫本なのに1100ページある。
 めくるのが大変そうだ。

 先日でたドリフの『全員集合』DVDボックスだが、キャンディーズのコントが収録されている。
 しかし調べてみるとたった2本で、しかも見たことのあるやつだった。
 加藤茶との大工コントと、志村けんとのブティックコント。
 大工コントは確か高校の頃、懐かしの番組特集で全員集合のコントを放送した時に見ている。
 加藤茶が演じる大工の棟梁が、キャンディーズの演じる大工の若造に、腰の入った歩き方を教えるという内容だった。

 コントならランちゃんが一番面白かった。
 歌はミキちゃんが一番うまい。
 そういえば昔から、スーちゃんには興味がなかった。
 田中好子になってからの方が好きなくらいだ。
 しかも、田中好子を見てキャンディーズを思い出したことは一度としてない。
 伊藤蘭を見てキャンディーズを思い出さないことは一度としてないのに。

 気がつくとキャンディーズのことばかり考えている。
 どうしちまったんだ?
 たぶん、電線音頭を踊るミキちゃんを見てしまったからだろう。
 好きな女の子のタイプの原点を28年ぶりに見て、失われた28年間がフラッシュバックした。
 そして、ふるさとに帰ったような気持ちになったのだ。
 要するに、女の子のなにが好きかって、ああいう感じの動きとか表情とか姿形とかが好きなのだ。
 ずっとそうだったのだ。
 今さら気づいた。強烈に。
 ただいまっ、てなもんだ。

 夜、イシモチを蒸したやつ、エビとブロッコリーの卵炒めを食べる。
 イシモチはうまそうなのを売ってたので思わず買ったのだが、さばく時にえらに小アジが挟まっていた。
 どうやら小アジをぱくりと飲み込んだ頃に捕まったらしい。
 魚をさばくのはかなり久し振りだった。
 はらわたとえらとうろこを取るくらいのことに、もたもたしてしまった。
 蒸し魚はうまくいった。やはり魚は蒸すとうまい。

 11時、ジョギング。三鷹まで。
 先週の木曜日以来となってしまった。
 最近サボり気味だ。

 ソフトバンクホークスが15連勝した。
 もはや手に負えない。
 ロッテにはなんとか食い下がり続けて欲しいもんだが。
 阪神も連勝し、2位とのゲーム差は6以上に広がっている。
 8月の死のロードで、阪神を脅かすのは中日かヤクルトか。