茶の味

 昼から、大和町にて稽古。
 高円寺駅から北口の商店街を抜け、早稲田通りを渡る。
 肉屋がぽつんと一軒あり、あとは住宅地が続く。
 夕方に歩くと、気分が落ち着く道だ。

 その道を昼間に歩く。
 稽古場は音楽室。
 禁煙のはずなのに、なぜかたばこのにおいが染みついている。
 不届きものがいるのだろう。

 マミちゃん、インフルエンザのためか、ふらふらになって到着。
 最近急に気温が下がり、風邪をひく人が多いようだ。
 マミちゃんのシーンを先に稽古する。

 舞台監督の田中さんが来る。
 台本を渡し、あとは普通に稽古する。
 マミちゃんには先に帰宅を命じる。
 入れ替わりに太田君到着。
 そのまま太田君のシーンを稽古。

 簡単な打ち合わせを終えてから、6時に田中さん帰る。
 その後、7時まで稽古を続け、本日は終了。

 太田君は環七を目指し、迷路のような小道を東へ。
 残りの我々は高円寺方面へ歩く。
 高円寺で皆と別れ、西荻窪で葉つき大根を買い、8時過ぎ帰宅。
 サンマの煮物、ほうれん草と卵の炒め物を食べる。

 シャワーを浴びてから、映画『茶の味』を見る。
 冒頭、失恋した少年の頭から電車がにょきっと出てきたり、小学生の女の子が巨大化した自分の分身に見つめられている妄想に悩んでいたりと、シュールな絵が続く。
 が、会話は非常にリアリズム溢れる演技で交わされ、ぼそぼそ喋る浅野忠信は、おそらく彼のもっともいい面が出ていたと思う。
 ポイントポイントで、心にしっかり残るシーンがある。
 男の子が、好きになった女の子と相合い傘で帰り、バスのドアが閉まる直前に車内の女の子に傘を放るシーンとか。
 押さえるべきところ、という感じか。
 あと、三浦友和はうまい俳優さんなんだなあと素直に感心した。