クヌギの林で転ぶ朝

朝4時起き。
自転車で善福寺公園へ。
公園にあるクヌギ林の様子を見に行く。
まさか、カブトムシがあっけなく捕まえられるとは思っていなかったが、早朝にクヌギ林をうろうろする経験を、一度してみたかったのだ。

公園に着くともう明るくなっていた。
クヌギ林のゾーンに行くと、小学生くらいの子供とその父親が、虫取り網を持って木を調べて回っていた。
こちとら網など持たず、Walkmanで音楽を聴きながらの冷やかしだ。

木を調べて回るが、樹液が出ているものが一本もなかった。
これじゃ虫は来ないだろうと思いながら階段を登っていると、突然目の前にスズメバチが現れた。
反射的に後ろへ飛び退ったが、段差があったので、そのままゴロゴロと2メートルほど転がり落ちてしまった。

泥だらけになってしまったので、水飲み場で泥を落とす。
公園にはじいさま達が集まって喋っていた。

「なでしこ見た?」
「おお」
「勝ったねえ」

どうやらブラジルに勝ったらしい。
すっかり見るのを忘れていた。
早朝の公園に半袖短パンでやって来て、クヌギの樹液を探したあげく、スズメバチに驚いて、「蒲田行進曲」のヤスのように階段を転がり落ち、泥だらけになっている場合じゃなかった。
そんなの、大人のすることじゃなかった。

家に帰り、シャワーを浴びて泥を落とす。
肘と膝をすりむいていたが、怪我はなかった。
しょんぼり、という気分を存分に味わう。

一眠り。
12時起き。

テンションを上げるため『蒼天航路』を1巻から読み返す。
呂布が死んでから、諸葛亮登場のあたりまでが、あまり好きではないが、劉備が蜀に入ってから最終回まではかなり面白いと思う。
袁紹を倒すところまで読む。

夕方、新宿で飲み。
清水、榊原、小山と。

清水、小山にクワガタ飼育セットをプレゼントしていた。
自分の家で生まれたクワガタらしい。

「おれ、今朝、善福寺公園行ってきたんだよね」
と言うと、清水は、
「なんだ、興味あるじゃないの」
と言って、飼育を勧めてきた。

榊原は最近FACEBOOKを始めた。
教え子がどんどん友達リストに追加されていくのを知っていたので、そのことを伝える。
「まあね、芋づる式に」
と言っていたが、すごくいいことだと思うとも伝えた。
なにか、その連鎖には好ましさを感じる。

小山はクワガタのお礼にトウモロコシを清水に渡していた。
どちらも、自分が育てたもの、ということになるのだろうか。
のどかな物々交換だ。

炭火焼きの店で軽く飲んでから、三丁目の「どん底」へ。
おいしいピザとカクテルを飲み、四方山話。

サッカー男子のエジプト戦が気になったので、飲みながら中継をみられるところはないかと店を変えるが、当然混んでいて入れず。
ヤマダ電機でテレビを見ることにする。

後半戦も終盤になっていて、日本は1対0で勝っていた。
試合終了までの間に2点を追加し、勝負を決めた。
隣のテレビでは陸上をやっていた。
「一日でいいからこういう体になってみたい。それから、吉田沙保里と室伏は、付き合ってくんねえかなと思う。そんで、子供を産んで欲しい」
と、清水は言った。

飲みはもういいという感じだったので、桂花ラーメンでしめる。
そんなに食べていなかったはずなのに、ラーメンを食べるとお腹がパンパンになった。

小山、来年の長野マラソンを勧めてくれた。
東京マラソンに落ちたら、考えてみよう。

11時過ぎに解散。

12時帰宅。