大波去り次は小波

朝から慌ただしく、心もそれにつられて慌ただしくなり、あれよあれよという間に昼。
カレーうどんを食べて、慌ただしさの波に再びのり、夕方までぐるぐるやっていた。
外から見れば、普通に仕事をしていただけだろう。
内から見ても、実は同じようなものだ。
勝手に慌てて、勝手にイライラして、溜まったガスをホラ話で抜いている。
隣の席に座った人が時々気の毒になる。

水曜日に予約したつもりのコナミ、実は今日だった。
早い方がいいと思ってそうしていたのを忘れていた。
仕事後、まっすぐにジムに向かう。

8時から、体重、血圧その他を計測してもらい、簡単な体力テストの後、マシンの使い方を説明してもらう。
教えてくれた二十代後半くらいの女性に、
「フォームがきれいですねえ、以前どこか通っていたんですか?」
と、社交辞令攻撃をくらう。
「初めてですよ。これ、こんなに軽くていいんですか?」
「軽いですか?」
「羽毛みたいです」
「では2.5キロあげてみましょう」

筋肉量の計測でわかったのは、案の定と言うべきか、両足の筋力はプラス2で、上半身は普通だった。
普通の人間の上半身を、プラス2筋力の下半身が運んでいる、それが現在のマラソンの現状だったようだ。

「あんたたちさ、自分が思っているレベルよりも、全然低いって思わなきゃダメ。この中に天才はいない。あ、自分はこんなにダメなんだって、痛いくらいに思い知らなきゃ、心も体も、何も変わんない」

ずきっと、師匠の言葉が胸に突き刺さる。
そういえば、養成所時代の身体訓練は、合理的というより、酸欠我慢大会みたいなものだったなあ。

一通り、マシンの説明を受けて、あとは自由にフラフラする。
とはいえ、夜の9時を過ぎていたし、教わったトレーニングを最初からやり直すには時間が足りなかった。

とりあえず、次回から本域でやることにして帰宅。
普段使わない筋肉を、多少なりとも使ったことで、上半身のあちこちが脈打っていた。
でもまだ、目の前でユリアをシンに奪われても、筋肉でTシャツを破くことはできそうにない。