僕は特急の機関士で

10時半起き。
図書館へ。
予約していた本を借りる。

ドラッグストアで買い物。
レトルトのカレー、マルシンハンバーグ買う。

マルシンハンバーグは、ちょっと前に「マツコの知らない世界」に登場した。
懐かしいといえば懐かしいが、オレの実家では食卓に出ることはなかった。
イシイのハンバーグの方がよく出た。
だから、マルシンハンバーグを初めて食べたのは一人暮らしをしてだいぶ経った、27歳の時だ。
チキンラーメンもそうだ。
初めて食べたのは大人になってからだ。

母の献立には独特の手作り指向があり、ハンバーグ、餃子、コロッケ、スパゲティミートソースは、ほとんど手作りだった。
挽肉を使う献立である。
ハンバーグ、餃子、コロッケは美味しかったが、ミートソースだけは好みじゃなかった。
理由は、味つけがトマトケチャップそのもので、甘かったからだ。

コロッケは、実に濃厚だった。
茹でたジャガイモと炒めた玉葱にたっぷりの挽肉。
これにバターを惜しげもなく投入する。
「バター好きなのよ」
と言っていた。

確かに、その後母のコロッケと同じ味のコロッケを食べたことはない。
食べたい時には自分で作る。

このコロッケは、冷めてもうまい。
バターケーキと同じ理屈で、冷えた方が全体にバターの風味が馴染むのだ。
だからお弁当のおかずに最適だった。
型は俵型で、ひとつあたりおそらく400キロカロリーは確実にあると思う。
それを、ご飯の時には3個か4個食べていた。
ご飯は当然お代わり。

食いに食ったものである。
好き嫌いが多く、ご飯を残すことが多かったのだが、もしそうでなかったら今頃、北の湖親方の死を同業者として悲しむ立場にいただろう。

北の湖親方が亡くなった。
かなり驚いた。
昭和の大横綱というより、70年代の大横綱と呼びたい。
80年代は千代の富士だった。
90年代が貴乃花。
ゼロ年代が朝青龍だろう。

北の湖は人気がなかった。
伯父さんの家にいた。あれは小学2年生くらいだったか。
たまたま大相撲千秋楽で、親戚一同がテレビに集まり、輪島と北の湖の一番を観ていた。
集まった全員が輪島を応援していた。
で、ガキのオレは、強いのが偉いしカッコイイという観念に従い、強そうな北の湖を応援していた。
結果は輪島の勝ち。
きっと調べれば、いつの場所だかはわかるんだろう。
輪島が勝った時、伯母さん達は拍手喝采していた。
悔しかった。
なんで大人達は北の湖のことがこんなに嫌いなんだろうと思った。
じゃあ北の湖のファンだったかというと、そうじゃないのが哀しい。
千代の富士、若島津、北勝海、旭富士が好きだった。
千代の富士が引退してから、相撲は十年以上見なかった。
朝青龍時代はよく見た。

昼、2時過ぎからジョギング。
今日は長い距離をゆっくり走ろうと思った。

青梅街道を東へ走ると、あっという間に新宿に着いた。
職安通りから明治道理を渡り大久保通りへ合流する。

都心は走りづらい。
歩道には人がいっぱいいる。
信号も多い。
そして案外、坂が多い。

荻窪にいた時は、小金井が片道10キロ地点だった。
都心を走ると、たとえ1キロでも、景色と街の変化が目まぐるしい。
中野、新宿、河田町、神楽坂、飯田橋が、あっという間だ。
あっという間でもあるが、気がつくとそこそこ走っている。
距離と感覚に混乱を来すし、坂も多いし、走りづらいったらない。

それに、都心を走っていると、オレはランナーじゃなく、交通機関のひとつみたいだ。
歌が出ます。
僕は特急の機関士で♪

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どこまで走るか考えつつ進み、結局飯田橋に着いてしまった。
「飯」という文字に誘われたかのようだ。腹減った。

来た道をそのまま戻るのも癪に障るので、神楽坂通りに入り、早稲田通りへ。
またしても、坂と人混みだ。

早稲田近くで「丸喜屋」という八百屋の前を通った。
野菜がどれもこれも安かった。
大根が一本19円。
ジョギング中じゃなかったら買ったのに。
ジョギングでもないと来ないだろうけど。

早稲田の戸山キャンパス横を走り、坂を上り、明治通りを渡る。
山手線の下をくぐり抜け、小滝橋通りと早稲田通りに合流。
坂を上って下り、上って下りだった。

落合に着く前に左に曲がり、東中野駅へ。
そこから山手通りを南下し、大久保通りに入ってまた南下し、青梅街道。
あとは新高円寺に真っ直ぐ。

たっぷり時間をかけて22キロ。
ペースを上げずに、ひたすらゆっくり時間をかけて長く走った。
久しぶりに20キロ以上走ったので、筋肉がパンパンだった。
家の周りをしばらく歩いて筋肉を落ち着かせる。

距離を長く走るのではなく、時間を長く走った方が、身体に堪えると思う。
過去のフルマラソン、タイムが早かった大会ほど、身体は楽だった。
つまり、3時間30分を過ぎると、時間が経つほど身体は悲鳴を上げるのだ。
悲鳴が絶叫に変わる前にゴールすればいいという理屈。

先に風呂を沸かしておいたので、ぬるめの湯につかることができた。
笑ってしまうほど心地よかった。

オニオンサラダ、トマト、ハンバーグ、オムレツで夕食。
炭水化物が足りなかったが、後で食べたそうと思った。

腹が落ち着き、足も落ち着いた頃、自転車でファミマへ。
近所のセブンイレブンではなく、公園寄りのところにある。
普通の味のカップヌードルが食べたくて仕方なかった。
店に入ると、カップヌードルキングが売っていた。
普通の味だった。
迷わず買い、店のポットでお湯を入れる。

店の外にはベンチがあった。
座って、心静かに3分間を待つ。
静かな夜だった。

猫が二匹やって来た。
どうやら、ファミマ周辺に出没する野良らしい。
客がくれるエサを命の糧にしているのかもしれない。
だが3分はまだだった。

はげ頭の、「シティーハンター」に出ていた海坊主みたいな男が店から出てきた。
座って、なにかの袋をあけて、しゃがんだ。
猫二匹は海坊主のところへ走って行った。
海坊主はタバコに火をつけた。

海坊主はタバコを吸い終わると行ってしまった。
オレはカップヌードルをすすりながら、彼の背中を目で追っていた。
猫がまたこちらにきた。
「悪いな。カップヌードルの麺は、君らには塩辛すぎるんだよ」
と言いつつ、小さい海老を一つずつ、猫兄弟に投げた。
猫はすぐ飛びつき、熱さにたじろぎ、少ししてそっとかじりついた。

炭水化物をとったら眠くなった。
手足の冷えも収まった。
両腿に、しっかりとした筋肉痛の気配があった。

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