都会はきらめくパッションフルーツ

午前中仕事にて。

「今週末お休みですけど、引き継ぎ大丈夫ですか?」
と聞かれる。
「対策は完了してます」
「どんなですか?」
「いなくても回るようにです。昨日もそれで残業したので」

引き継ぎというより、引き継ぎそのものをしなくても済む体勢を作っていることになるのだろうか。

昼、サラダとカップ麺食べる。

夕方、「引き継ぎ」ツールを試す。
ボタンを押すだけなので、誰がやってもいいのだが、その結果を最も早く受け取る人が一番良いと判断し、関係者に配布した。

1時間半ほど残業しバグの修正。
7時過ぎにあがる。

西友で牛肉と千切りキャベツを買って帰宅。

冬物衣類、CD、DVD、過去公演のノートやアンケートを段ボールにまとめる。
引っ越し屋を頼んだのだが、最初に電話したアリサンマークは、見積もりメールが1万5千円だったのに、営業所に電話をすると6万4千円と言われたのでやめにした。
別の会社に電話すると3万弱だったのでそこに決めた。
安いところは他にもあるのだろうが、うちは本がやたらに多いので、結局は高くなるだろう。

段ボール、単身者用の数を取り寄せたが、さっそく足りなさそうな気配だ。

ステーキを焼き、キャベツと一緒に食べる。

台本書き。
憩いの広場がなくなるのを反対している女の子とその友達の場面。
片方が、へたをするとお約束のキャラクターになりそうなので、そこをずらしていく。

洗濯をし風呂に入ると11時を過ぎていた。

音響のことを考えながらYoutubeを見ていたら、なぜか急に宇宙戦艦ヤマトのテーマ曲が気になった。
アニソンでも歌謡曲でもない独特な曲だ。
小学生の頃、朝礼や運動会の行進用にインストバージョンが使われていた。
今思うとすごい選曲だ。
1000名の児童が瞬時に、ヤマトの諸君になる。

アニメのテーマ曲が内容と乖離しはじめたのは、おそらく「キャッツアイ」の頃からだったろう。

映画「フラッシュダンス」
アニメ「キャッツアイ」
ドラマ「スチュワーデス物語」
この三つは同じ年のヒット作だ。

当時のオレは、精神軟弱、意志薄弱、身体虚弱な少年だった。

少年は、レオタードという共通項のため「フラッシュダンス」と「キャッツアイ」を脳内でごっちゃにするという愚挙を人知れず犯していた。
同時に少年は、主題歌が同じであるという理由で「フラッシュダンス」と「スチュワーデス物語」をもごっちゃにしていた。

やがて少年は、レオタードを見るたび自動的に頭の中で堀ちえみと「キャッツアイ」の愛を入れ替え、風間杜夫と「キャッツアイ」の俊夫を入れ替え、ジェニファー・ビールスと「キャッツアイ」の瞳を入れ替え、アイリーン・キャラと杏里を入れ替える、複雑な大人に成長したのだった。

都会(まち)はきらめくパッションフルーツ。
「パッションブルーだよ」
と訂正された恥ずかしい過去。
だが今日、アニメのOPを見てみたら、やはりパッションフルーツだった。
あの日のオレの恥ずかしさを返してくれ。