知恵の輪静香

 11時起き。
 昨日作ったハタハタ鍋のつゆで雑炊を作る。

 外はいい天気だった。
 布団を干し、掃除をした。

 去年まで長いこと絨毯の部屋で暮らしていたのだが、畳の部屋に住むようになると、髪の毛のごみがやたらに目に入る。
 掃除機で吸っているが、ほうきではいた方が効率的かもしれない。

 掃除の後、ホットケーキを焼いてコーヒーを飲んだ。

 夕方、ダイソーへ。
 ルーズリーフを久しぶりに買おうと思い、A4とB5のどちらにするかで散々迷う。
 汎用性ということなら、書類を折らずにポケットにしまえるA4がベストだ。
 しかし携帯性ということなら、使い慣れたB5サイズがベストだ。

 手帳の利便性について色々考えることで、演出ノートもルーズリーフ式の方が合理的ではないかと思ったのがきっかけだ。
 ノートには芝居のことだけではなく、打ち合わせのことも書き込まないといけない。
 その打ち合わせも、舞台美術のこと、音響、照明、衣装のことと、ジャンルが細かく分かれる。

 これまでは一冊のノートでまかなってきた。
 記述の仕方は基本的に日付スタイルで、内容ではなく時間単位で区切る。
 だから、必要な事柄を調べるときは、ノートを逆にめくり、時間をさかのぼらなければならなかった。
 このやり方は合理的ではない。

 考えてみればルーズリーフほど使いやすいノートはないのだ。
 項目はインデックスでいくらでも分けられるし、書類も袋に入れられる。
 公演ごとにノートを刷新するのも簡単だ。

 というわけでダイソーの文具コーナーで腰をかがめ、AかBかで悩んでいた。
 30分悩んだ結果、バインダーは買わないことにした。
 透明の書類ホルダーと、インデックスだけ、B5版のものを買った。
 確か、昔使っていたB5のバインダーが、うちのどこかにあったはずなのだ。
 それを先に使ってみて、具合を試してみればいい。
 そう思った。

 帰宅後すぐにカレーを作る。
 ホールトマトを使ったトマトカレー。
 他に、ゆでたブロッコリーと、カブの葉の味噌汁。

 食後、バインダーを探す。
 ダンボールをいくつかあける。
 が、どこにも見当たらない。
 おそらく押入れの奥のダンボールにしまってあるのだろうが、ダンボールをすべて出して探すのは億劫だった。

 作業中、捨ててもいい本を沢山見つけた。
 ダンボール一つ分の収納スペースが稼げた。

 『グインサーガ』がぎっしり詰まった箱もあった。
 昨年夏以来、ついに買うのをやめてしまった。
 秋に出たものを立ち読みして、さすがにあきれてしまったのだ。
 どうしてくれよう?
 全100巻以上ある本を捨てるのは、それをそろえてきた過去の自分が間違っていたことを認めるみたいで嫌だ。
 かといって、この膨大な量の本をBook-offで見積もりをしてもらい、全100巻で100円ですとか言われるのも、筋肉労働量的に悔しい。
 ヤフオクにでも出品するか?
 100巻ともなれば、いちいち買い集めるのは至難だ。
 買いたいという人がいるかもしれない。

 夜、荒川静香のドキュメンタリーを見る。
 不調にあえいだ2005年からいかにしてメダル獲得に至ったかが良くわかる構成だった。
 そして、2004年の時と比べると、美人になっている。
 整形ではなく、内面の変化が表面に出るといった感じの変化だ。 こういう美は、人の心をうつ。

 そういえば昨年も、荒川静香のドキュメンタリーを見た。
 その時、彼女の武器は体の柔らかさだと知った。
 改めて演技している姿を見ると、
 「おまえは知恵の輪か!」
 と叱ってみたくなる。