全身のこりと声枯れ予感

 10時半に起きる。
 朝飯を食うには中途半端な時間だった。
 結局何も食わずに劇場に向かう。

 地下鉄に乗りながら「ストリートキッズ」を読んでいたら無性にハンバーガーが食いたくなった。
 池袋に着くなりすぐ、ロッテリアに向かう。
 ハンバーガー2個と、「洋食屋さんのハンバーガー」を1個購入。
 楽屋で食う。
 しかし、全然足りなかった。
 ハンバーガー5個にすれば良かったと後悔する。
 「畜生、食い足りねえ」
 そのつぶやきを加奈ちゃんが聞きつけ、哀れなおいらにおにぎりセットの残りを恵んでくれた。
 感謝する間ももどかしく、ぺろりと平らげた。

 首と肩と背中と腰と腿が凝っていた。
 有り体に言えば全身である。
 ストレッチをしても効きやしない。
 声の様子もあまり良くない。
 枯れてはいないが、枯らすのに努力はいらない状態である。
 そういうわけでいくらか慎重に昼の公演を迎えた。

 大学の1年後輩、ミキ、たま、さくらが来る。
 「演技が昔と変わってませんね」
 と言われる。
 ああ俺の10年。

 マチネとソワレの間、体を暖かくして昼寝をする。
 夕方、全員で体を温め、しっかりと柔軟をする。
 気のせいか声の出が良くなる。

 ネアンデルタール役者の大場、バイク便時代お世話になった森さん来る。
 ほかにも多くの知り合い来る。
 カタギノマタギで共演しためぐみちゃん来る。
 山ちゃんと谷口さん来る。
 山ちゃんの差し入れは、たばこ3個とのど飴。
 赤羽魂炸裂の差し入れであった。

 夜は数多くの知り合いが見に来た。
 丸ちゃん、わっちゃん、健ちゃん、川口さん、おかださん、空中バレエの皆さん、その他皆々様。

 昨日同様「青龍」に飲みに行く。
 阿部君と向かい合って飲む。
 堅い話軟らかい話その他色々な話をする。
 ビールが足りなくなりそうだったので、下の階で飲んでいた空中バレエの座敷におじゃまする。
 謎めいた少女だった大庭さんが謎めいた女になっていた。
 「卒業したらどうするんだい?」
 「まだ決まってないんです」
 そして謎めいた微笑。

 終電で帰るが、途中トイレに行きたくなって困った。
 降りるわけにはいかず、脂汗を久しぶりに流した。