堀江社長とメディア

 『坂の上の雲』3巻読了。
 昼に図書館へ行き、続きを借りようとしたが、4巻以降は全て貸し出し中だった。
 夕方、小金井の図書館に行くと4巻だけ置いてあり、それだけ借りた。

 ライブドアはいよいよニッポン放送を手中に収めようとしている。
 江川紹子氏のサイトに、ライブドアのメディア戦略についての考察と、堀江社長にへのインタビューがアップされている。
  http://www.egawashoko.com/menu4/contents/02_1_data_40.html

 堀江氏の基本的な考えについて、大変わかりやすくまとめられていた。
 読んでみて感じたのは、堀江さんは骨の髄まで市場原理に徹した人間であるということだ。
 だから、社会におけるメディアの役割や、それに携わる人間の矜持といったものにはまったく興味がない。

 マスコミは全てでたらめを書くのかといえば、もちろんそうではない。
 政治腐敗を暴き、社会の警鐘たらんとする記者は大勢いる。
 が、政治の記事に読者がまったく興味を示さなければ新聞は売れない。
 売れなければ成り立たないから、売れる記事を書く。

 記事にランキングをつけ、多くの読者に読まれている記事を優先するというのが、ニュース記事に対する堀江さんの考え方だ。
 マスメディアはどうあるべきかなどという理念は存在せず、ただ売れる記事のみが脚光を浴びるはずだという。
 極端な意見ではある。

 堀江さんはニッポン放送を傘下に入れることで、インターネット以外のメディアでもそうした原理を導入していくつもりではないか。
 放送メディアにおけるそれはおそらく視聴率主義だろうが、考えてみれば現在のテレビはほとんど、視聴率主義に陥っている。
 だから、堀江さんのという考えは否定できないはずだ。

 だが、堀江さんのドライな言動や、従来の企業人に見られない行動の早さは、反作用として抵抗精力を生みやすい。
 ニッポン放送社員のほとんどが、ライブドアの買収に反対しているのは、その現れだ。

 こういう人物が現れるのは、時代が大きく変わる時だ。
 見定めるべきは、今がその時かどうかだ。
 もしも堀江さんの出現が歴史的に早すぎるのなら、彼はいずれ壁にぶち当たるだろう。
 しかし今がその時なら、この先第二第三のホリエモンが登場してくるはずだ。