10時起床。
体のあちこちが痛い。
昨日の夜、走った距離を地図で調べたら、18キロしかなかった。
20キロ走ってないにもかかわらず、ばてばてだったのはちょっとショックだ。
フルマラソンとなればその2倍走るのだから、おちおちしていられない。
別にフルマラソン走る予定は今のところないのだけど、おちおちしていられないのと同じドキドキが自分の中にある。
水菜と卵だけの冷やし中華を食べる。
日曜なのでジョギングはなし。
平日に向け、また鋭気を養うのだ。
2時半くらいまで、プロレスのビデオを見る。
気分が盛り上がったところで着替え、九段下へ。
4時に、松島君と待ち合わせ。
プロレスリングノアの武道館大会を観に行く。
2階席に陣取る。
松島君はビールを買い込んできており、1試合目からグビグビ飲んでいた。
前半の3試合は無難な展開だった。
休憩時間に入る前に、アナウンスが入った。
「本日、ゲストを招いております」
リング上に登場したのは、川田利明だった。
川田は言った。
「自分からはなにも言いません。ですが、7月18日は、体をあけておきます」
これに対して三沢は、
「7月18日、東京ドームで待ってるから」
と返した。
場内は大歓声に包まれた。
その三沢社長は、鈴木みのると初めてリングで相対した。
当然のことながら三沢はみのるにエルボーを見舞った。
その瞬間思ったのは、いくら体をビルドアップしても、鈴木みのるの体格はジュニアヘビーなのだということだった。
高山や小橋クラスのレスラーを倒すエルボーを、鈴木みのるが耐えられるはずがなかった。
結局、三沢とみのるの邂逅は初っぱなにあっただけで、後は鈴木鼓太郎がいいようにいたぶられる試合となってしまった。
そりゃ、三沢がエルボーを出せば、みのるは膝をつくし、丸藤はぶっ倒れるのだから、バランスを考えたら引っ込んでいるしかない。
試合はみのる・丸藤組が鈴木鼓太郎をフォールして勝利した。
セミファイナル前に、電光掲示板に東京ドームの新しいカードが表示された。
小橋建太 対 佐々木健介
またもや場内は大歓声に包まれた。
セミファイナル。
天龍と秋山がタッグを組み、小橋と潮崎と戦う。
ゴングが鳴ってから、試合権利のない天龍と小橋がチョップ合戦を始めた。
誰も試合を見ていない。
天龍は長いすを小橋に思い切りぶちかました。
にもかかわらず、仁王立ちして天龍に歩み寄る小橋。
二人がコーナーに戻って、やっと観客の目がリングに戻った。
潮崎にとっては途方もなくきつい戦いだった。
実力もキャリアも違いすぎる3人のレスラー相手におのれをアピールしなければいけなかった。
しかし、天龍との序盤のしばき合いで頭に血が上った小橋のため、潮崎は<捕まりっぱなし>の状態から免れることができた。
天龍に対する小橋のチョップ連打が、あまりにもすさまじかった。
あの天龍が、チョップを受けるうちに膝をつき、崩れ落ちていった。
コーナーに戻った天龍は、しばらくうずくまっていた。
そして驚いた事に、チョップを打たれすぎたために、胸から出血していた。
皮膚が裂けたのだろう。
普通、チョップで、胸は、裂けない。
秋山は徹底的にサポート役に回り、潮崎をしごき、小橋がやりすぎる一歩手前で制していた。
小橋をあそこまで爆発したのは、秋山の導きがあってこそだったろう。
試合は潮崎がフォールされて小橋組が負けたが、結果なんてどうでもよかった。
メインイベントは、そんなすさまじいセミファイナルの次にやらなければならなかった。
しかも、GHCチャンピオンの力皇は、これが初めての防衛戦だ。
やりにくかったろう。
だが、そうしたハンディを考慮に入れても、メインはしょっぱかった。
挑戦者の斉藤彰俊の方が声援を受ける始末だった。
力皇は相手をコーナーに押し込むというだけの技を何回も出したり、不格好なパワーボムを出して失笑を買っていた。
たぶん、ばてていたためそうなったのだろう。
心理的なものもあるかもしれない。
結局、20分以上の戦いを経て、力皇が防衛を果たしたのだが、課題は余りにも多い。
途中で多くのお客さんが、
(おい、これじゃ試合終われないぞ)
と不安になっていた。
勝利者インタビューでブーイングが起きていたのは気の毒だったが、GHCヘビー級選手権として納得がいく試合ではなかった。
終了後、九段下の駅に向かいながら松島君と今日の反省会をする。
「いやー、難しいですよ」
と、発泡酒を3缶あけた松島くんは語った。
「力皇は技が少ないですよ。でもブーイングはかわいそう」
10時過ぎ帰宅。
マックのハンバーガーを食べる。
日本テレビのノア中継をネットで調べたら、今日の力皇の試合を放送するらしいので、見るのをやめる。
でも、力皇はまだチャンスが残っているだけ幸せだと思う。
ファンも、まだ見捨ててはいないし。