『西遊記』を見せる

 図書館にした本の予約がいつの間にか随分たまってしまった。
 予約待ちが多いため、まだ借りに行くところまでいってないが、来週あたり自宅が本の山になってしまうかもしれない。
 恐ろしいほど腹が減った時に中華料理店に入り、そんなに食べられるのかと言われるほど注文をするのに似ている。
 とにかく、ちぎっては投げちぎっては投げの精神で、一冊ずつ倒していくしかない。

 夕方、うっとおしかった髪を切る。

 実家に帰る。
 タラのホイル焼き、山菜ご飯など食べる。

 ためておいた境正章版『西遊記』を見る。
 第10話、11話。
 途中から父も一緒になって見る。
 「1話目からはないのか?」
 「あるよ」
 「持ってきてくれよ」
 「わかった」
 「天上界で大暴れするところとかあるのか?」
 「ちゃんとあるよ」
 母が口をはさむ。
 「今、『西遊記』すごいじゃない。視聴率20%もとって」
 父が答える。
 「ばかもの」
 「なによ」
 「こっちの方が全然面白いんだよ」
 母は再生中の画面を見る。
 「あら、これ谷啓?」
 「ばかもの。堺正章だ」
 「これが?」
 画面を見ると仙人姿の谷啓が、堺正章の悟空と囲碁をしていた。
 たたずまい、間の取り方が、なんともおかしい。
 父が聞く。
 「健、これ谷啓か?」
 「そうだよ」
 「ほら、谷啓じゃないの。あんたあたしのこと馬鹿にしてんでしょ」

 父は4話分見てから寝室に行った。
 母はそのまま居間に残り、なぜか『冬ソナ』を見始めた。
 隣の部屋でパソコンに向かっていると、萩原聖人の吹き替えに対する「チッ」という舌打ちが時々聞こえてきた。

 ウィンドウズにApacheサーバーをインストールし、CGIの動作確認をしようと思ったのだが、うまく動作しなかった。
 おまけにどういうわけか、途中でIMEの辞書ファイルがオープンできなくなり、漢字が入力できなくなった。
 これではネットで調べながら環境設定することができない。
 2時間ほど設定をいじってから、あきらめてアンインストールした。