稽古時間の考慮

 朝、小雨が降っていた。
 気温ががくんと下がり、半袖では肌寒いほどだ。
 なのに夏モードになった体からは、少し歩いただけで汗がしたたる。
 まして、たぬきうどんなどを啜ったりしたら、しとど流れるといった案配となる。
 今日から9月だ。
 夏は終わった。
 夏の終わりの写真を撮ろうと思ったが、昨日の新宿の空は怪獣でも出てきそうな雲がビルを多い、ちっとも夏の終わりっぽくなかった。
 少し前に雲の写真を撮った。
 それを、夏の終わりの写真としよう。

 夏も終わりに近づくと、ツクツクボーシの鳴き声が目立つ。
 あれは、よく聞くと、『天空の城ラピュタ』の、ドーラ一家が乗る船の音に似ている。
 プロペラが回る音の感じ。

 夕方、新宿で健ちゃんと会い、12月公演の進行状況などをすりあわせる。
 彼は仕事が6時に終わるのだが、残業が入ることが多い。
 平日の稽古場に来るのが9時近くになる時も多々あり、そうなると稽古ができない。
 ダメージを抑えるには、土日の昼夜に稽古時間を取らないといけない。
 が、ふた月前から土日稽古を毎週ぶち込むのは未経験だ。
 いや、三本立ての時が同じようなもんだったか。
 でもそれは他の役者じゃなくてオレだけだったし、あのしんどさは神経がささくれ立つ。
 昼から夜の稽古を週5?6日で一ヶ月。
 もちろん台本は完成済み。
 これが一番やりやすいだろうな。
 いつかそんな稽古が実現できるようにしたいもんだ。

 と考えてたら、学生時代はそうだったことに気がついた。
 ただ、あの頃はデブ猫みたいにバカだったから、無尽蔵に流れる時間をわーわー言いながら跳びはねるだけだった。
 今よりずっと、稽古時間の使い方が下手だった。
 無尽蔵にあるものに対して、人は知恵を使わないものだ。
 つまり、今は知恵の使いどころ、ということか。

 夜、はなまるうどんでかけうどんを食べる。
 この店は天かすや鰹節などの薬味を取り放題なので、かけうどんさえ頼めばたぬきうどんが食える。

 TV BROSで大人計画フェスティバルの記事を立ち読みしていたら、お化け屋敷のボツネタキャラクターが描かれていた。
 シャラポワのお化けは、全身がつけ乳首だらけだった。
 これは笑った。
 絵は天久聖一氏。さすがといった感じ。