ラーメンなんてそんなものだ

『カラマーゾフの兄弟』4巻読了。
兄・ドミートリィに判決が下される、物語のクライマックス。
読者は、彼が犯人でないことを知っている。
それゆえ検事と弁護人のやりとりからは、真実を追究する姿勢はうかがえない。
むしろ虚々実々のかけひきがはっきりと浮かび上がり、夢中にさせられる。

夕方、「えぞ菊」で味噌ラーメンを食べる。
最近、夕方外食することが多いのは、うちに帰って食事の支度をして消化時間を考慮すると、ジョギングに行く時間が遅くなってしまうためだ。
6時に食えば、遅くとも9時には走れる。

バイクに乗っていた時分、旨いラーメン屋をめぐり東京中を網の目のように走り回ったものだが、味噌ラーメンに関しては「えぞ菊」が一番うまいと思った。
自分の舌と胃袋に合っている。
ラーメンなんてそんなものだ。
自分に合った味が見つけられれば、新しい味を探求する必要はない。
探求そのものが好きならともかく。

「えぞ菊」の味噌ラーメンは、味噌の味に深みがある。
味噌汁とはまったく違う味なのに、味噌汁を飲む時のような懐かしさを覚える。
懐かしさは暖かさに通じるから、寒い季節に食べるとことのほかおいしく感じる。
体も心も温かくなる。

夜、電波研究所までジョギング。
ややペースを上げるが、右腿の付け根が張っていたので、スパートはかけず。
汗は相変わらず大量に出る。
今の季節は暑すぎず寒すぎず、走るのにちょうどいい。
問題は11月以降だ。
防寒対策をしっかり考えねば、膝を痛める。