寒い

朝、炊き込みご飯とキムチ。
本番が近づいてくることで、時間配分が芝居寄りになり、しわ寄せは自炊時間の現象に現れる。
とはいえマグで芝居をする時に比べるとまだマシだ。
今年の6月から7月にかけて、週末以外はろくにご飯を炊かなかった気がする。

先月末から思わしくなかった体調は、週末を経て好転した。
肉体の冬仕様アップデートが完了した感覚がある。
以前はよく季節の変わり目に風邪をひいていたが、フルマラソンを始めてから現在まで、ひきかけで治っている。
抵抗力がついたのだろう。
が、喉の痛みや咳や熱がないだけで、体調が悪くなるのに変わりはないのだとしたら、風邪をひいていた頃の方が積極的に休めた分良かったのかもしれない。

ともあれ、体調はやや上向き気味。
悪いことではない。

夜、弦巻で稽古。
悪意が伝わり過ぎているんじゃないかと、やりながら思う。
その悪意が、どこまでも根の深いものだったら、それは笑えないことだし、相手役に与える影響も大きくなる。
(俺が一番頭がいい)
こう思ってしまえることが、自分の役の一番バカな部分だ。
いわば人間の隙だ。
このがら空きの部分の見透かせ方がスマートにいけばいいが、下手にやるといやらしくなる。
見透かせ方が見透かされる、といういやらしさ。

なんていうふうに考えると、複雑精緻な役作りをしているようだが、現場にいるときはただひたすら、
(ここ気持ち悪いなあ)
(目が合った時に、相手からなんか貰えそうだぞ)
(やべえ、全然台詞受けてなかった)
などなど、その場の感覚で動いている。
ひとことで言えば、モヤモヤしている。

稽古後、桜新町へ歩きながら、寒さを感じる。
冬だなあと思う。
コートの季節だ。