大根定食の夜

朝、サンドイッチとおにぎり。
そろそろ暑くなってきたので、朝飯をなるべく涼しいところで食べる対策をたてないといけない。
家で食べると駅まで歩くうちに汗をかく。
朝は汗をかかない方がいい。

夏の暑い日にかなり長い距離を家から歩いてきて、汗びっしょりの状態で仕事を始める同僚がいた。
夕方が近くなるとその人からは、部室のような匂いがしたという。

昼、カレーうどんと納豆巻き。
どん兵衛のカレーうどんはかなり好きなのだが、いつでも売っているわけではないのが惜しい。

カップ麺を昔ほど食べなくなり、食べるとしてもスープやオイルの袋がいくつもあるものは好きじゃないので、カップヌードルやどん兵衛など、昔からあるものを食べている。
スーパーカップを食べることもある。
当社比1.5倍とうたいはじめてから随分経ったような気がする。
当社の、何と比較しているのか。
半年以上も閉店セールを続け、いつの間にか開店セールに変わっていた、地元のジーンズメイトのようだ。

カップ麺を食べると汗が出る。
当たり前のようだが、全く汗が出ない時もある。
体内の水分が関係しているのか。
それとも自律神経。
どちらのほうが健康なのかわからないが、汗が出る方が不快だ。

3年前から使っている、100万円札をあしらった扇子で、額から髪の毛の間に風を通すように仰ぐ。

仕事後、西友で買い物。
葉つき大根が98円で売っていた。
時間が経つごとに生きた葉が身から栄養を吸い取るし、なによりかさばるのであまりマーケットに出回らないが、あると顔がほころぶ。

家に帰り、葉の部分を落とし、洗って刻む。
まずは大根の千六本と葉っぱの味噌汁を作る。
次に圧力鍋で、もらい物の佃煮を出汁に使い、煮付けを仕込む。
残りの母、少量のご飯と豆腐で混ぜご飯。
先っぽが余ったので、大根おろしに。
すべて使い切り、今日の夕食となった。

大根定食

辛いものが好きになったのはいつからだろう。
二十歳の頃までは甘党を自認していたが、辛いものも嫌いじゃなかった。
それが、実家を出てひとり暮らしを始めてから、甘いものが苦手になり、相対的に辛いものが好きになった。
甘いものが苦手な時期は数年続いたが、やがて人並みに好きという状態になったが、辛いもの好きはその後も高じていった。
一時期、松屋で牛丼を食べる時など、トウガラシを肉の全面にかけていた。
松屋のトウガラシはあまり辛くない。
にしても、最近はあまりやらなくなっている。
やれないことはないが、やることもなかろうと思っている。
誰かに辛党をアピールするために松屋に行くワケじゃないし、そもそも最近松屋に入ることが少ない。

色々な辛さを体験した。
ダブルミーニングでもあるけど、一番好きな辛さは、大根おろしの辛さだということは、この十数年間変わらない。
タバスコの辛さも好きだけど、やっぱり、おろしたての大根おろしを炊きたてのご飯にのせ、湯気と共に辛みが鼻にツーンと抜ける感じは、官能的ですらある。
たぶん、椎名誠の『かつおぶしの時代なのだ』の影響だ。
二十三歳の時、あれを読んですぐ、アルミのおろし金を買いに走った。
そして今でも愛用している。