おれのやり方で

昼、しらたきにナポリタンソースを絡めて食べる。
ろくな食いもんじゃないのだが、レンジでチンすればすぐ食べられる利点もある。

台風が近づいているらしかったが、夜中から朝にかけて関東に近づく予報だったので、稽古は予定通り行った。
阿佐ヶ谷にて稽古。
美術の松本さん来る。

柳瀬君は、インプロの経験はあるが、台本のある舞台に立つのは今回が初めて。
演じる役は安藤という喫茶店の雇われ店長。
セリフを少し加えたりしつつ、人物造形をしていくが、舞台上で笑顔を浮かべることができない。
無理に笑顔を浮かべさせても不自然になるので、そういう気持ちの置き方があると示唆する。

過去の場面。会議のシーンをたたき台にして、それぞれの役割を確認していく。
鷹野さんと成川さんが意見対立している設定だが、どのくらい対立しているのか、たとえば憎しみを覚えるほど激しいのか、だとすればそれは何故かを考える。
三角関係とか、恋愛がらみのエピソードがあるとは思うし、その方向で考えているが、「誰それと誰それは付き合っていたけど別れて、誰それは誰それに嫉妬している」という風に文字にしても、あまり意味がない。

笑里ちゃんは出演者のなかでは最年少。
明るさ、元気さが、良い形で前に出てくるといいなと思う。

役者に対しては、細かい注文をし過ぎないよう小出し小出しにしていき、その注文をどういうふうに咀嚼して形にするかを見極めることで、次の注文を決めている。

「思ったこと全部言っちゃえばいいんですよ。それができないなら役者やったってしようがないんだから」

なるほど。でも、おれは、それができないなら役者やったってしようがない、と思っている役者だけの座組みで、芝居は作らない。
色んなやり方がある。それもやり方だ。
でもおれはおれのやり方しかできないから、おれのやり方をやる。
それが出来ないなら役者やったってしようがない、とは思わずにやるだけ。

9時に稽古終了。

松本さんと少し打ち合わせ。
といっても、台本がまだ半分弱しか進んでいないので、これからの展開をどうするかなどを口頭で伝えつつ、劇場の空間と美術の案配を考える。
とにかく台本だ。