ポール・マッカートニーの公演が中止になった。
予感があったわけじゃないが、今回はチケットを買っていなかった。
「ああ良かった」
なんて言うつもりはない。残念だ。
それより、ポールの体調が心配だ。
昨年11月からわずか半年というインターバルでライブをしようと考えたのはなぜだろうか。
「我々日本人が素晴らしいオーディエンスだったからだ」
そう思いたいけれども、うすうす、それだけじゃないだろうという気もしている。
最悪の予想は、歌えるうちに歌わなければと、ポールが自覚していたのではないかということ。
もしそうなら、体調不良はそれを裏付けてしまう。
村上春樹『女のいない男たち』読了。
様々な理由で、特定の女性パートナーがいない男達を主人公にした短編集。
男にとって、女がいるといないとでは、どう違うのか。
かつてはいたが、いなくなった後、その男はどうなるのか。
女がいない男とはどういう存在なのか。
男の寂しさを書いた作品集ではない。
女がいない、女を失った、男は、どうなのか、どうであるのかを、小説の形で検証している一冊だと思った。
古谷実『ヒメアノール』読了。
連載しているのを知っていながら、一度も単行本に手を出さなかった作品。
2008年にウエストエンドスタジオで芝居をしていた時、楽屋にあったヤングマガジンをパラパラめくって、連載しているのを知った。
でも、読まなかった。
今回初めて全巻通読。
『ヒミズ』よりも絶望の色が濃く、救いのない作品。
阿佐ヶ谷の河北業院へ行き、去年の診断書を発行してもらおうとしたが、受付時刻を過ぎていた。
この病院に来ると、いつもたらい回しにされるような感覚を味わう。