田中の挨拶

昼に「丸信」
もう完全に常連だ。

アンケート用紙の印刷、パンフの原稿書きをする。

田中太郎からのご挨拶

本日はご来場まことにありがとうございます。
ウーララとは、
わあ! とか、すごい! という、
感嘆を表す言葉で、元はフランス語だそうです。

今回、作品に登場するはずであった僕の役名は、
田中太郎といいます。
存在が不愉快であるという理由で、
今回お前は出さないことにしようと、
作者が決断したのが7月の下旬でした。

そのため役者の肉体を借りることなく、
見えない存在として、稽古場周辺をふわふわ浮遊しておりました。
この夏はヒマでした。
未来永劫ヒマでしょう。
本日は劇場近辺を浮遊しております。

僕の役は、会う人会う人に、
「なぜ結婚しないんですか?」
という質問をする設定でした。

僕自身は結婚しておりまして、
妻の名前は「サキ子」と言います。
「私の名前を1億回言ったら結婚したげる」
と言われました。
1億回はヘビーです。
8千万回を超えたあたりで、
「続きは結婚してからでいいよ」
と勘弁してもらいました。
これがお金だったらいいのにと思いました。
もしそうだったらマー君はすごいです。
初年度の年俸は22億円以上。
8千万回「サキ子サキ子…」で根をあげてる場合じゃありません。
マー君もやはり結婚する前に、
「まいまいまい…」と22億回言ったのでしょうか。
メジャーだから英語なのでしょうか。
すると「my my my my…」でしょうか。
和訳すると「オレオレオレオレ…」でしょうか。
オレオレ詐欺なのでしょうか。

こんな下らぬことしか言えないために、
「なかったことにしよう」
と作者は決断したようですが、
僕が下らない人間ということは、あなたもまたそうなのですよと、
作者に申し上げたい。

今回、出演はかないませんでしたが、
こうしてパンフレット上に意見を開陳する場を与えていただき、
そこは感謝しております。
僕が出られなかった芝居がどんなものになるのか、
今日は皆さんと一緒にそのへんをふわふわ漂いながら、
見届けたいと思います。
開演までお時間がありましたら、愛する方のお名前を心の中で繰り返してください。
私も今それをやってます。サキ子サキ子サキ子…
ウーララ。

3時に仕事を終え、上井草スポーツセンターへ。
先日泳げなかった果たし合い。

久しぶりだったので妙に疲れた。
クロールで700メートル泳いで帰宅。
泳げたのでよしとする。

6時から稽古。
稽古場を二分割し、片面は自主練ができるように解放した。
場面を抜き、その都度必要な役者を呼び寄せる。
後半になるとほぼ全員が必要になるため、片面にしている意味はなくなった。

通し、抜き、通し、抜きの繰り返しが、稽古の進め方としては最も合理的だと思う。
10時近くまでやり、脳がパンクしそうになったところで終了。
疲れた。
泳いだせいもあるが。