ラブ・ユー・メイク

10時に起きた。
図書館へ行き、予約した本とCDを借りた。

高円寺へ移動し、ルック商店街を通ると神輿がいた。
迂回して環七に出て、「山と樹」でラーメンを食べた。
清潔で接客は丁寧だった。スープは上品だった。人を信じて作ったスープだった。食べ終わり、外に出るとき、「いつもありがとうございます」と言われた。善人ラーメンだと思った。
店を出て、ラーメン二郎のことを考えた。人を信じず、人生のどん底を経験した人が作った二郎ラーメンは、すごく旨いんじゃないかと思った。

『明暗』読了。夏目漱石未完の遺作。
夫は妻のことを本当に愛してはいないと自覚している。妻は、自分が夫を愛するように、夫にも自分を愛して欲しいと思っている。
夫にはかつて愛した清子という女がいたが、彼女は別の男と結婚してしまった。清子との仲を取り持ってくれていた、上司の妻である吉川夫人は、責任を感じて今の妻と彼を娶せたのだが、現在の彼のありようから清子への未練を感じ取り、会いに行くべきだと強く言う。その間妻のことは良いように教育するとも言う。
夫は、療養を口実に、清子のいる温泉地を訪れる。二人が差し向かいで話すところで、小説は終わっている。

主人公は、夫婦関係ではないかと思った。完結していたら、作品が世にどのような影響を与え得たかが気になる。

『ビートルズ ラブ・ユー・メイク』下巻を読む。1967年から解散後のソロ活動まで。
初めて読んだのは中二の時だった。その後高校生になって再読し、大学生の時に古本屋で見つけて下巻だけ購入した。上巻はさらにずっと後、同じようにして購入した。
ブライアン・エプスタインの部下だったピーター・ブラウンによる暴露本と言ってよく、この本を出版したため、彼はビートルズ関係者のサークルから締め出されてしまったように思える。アンソロジープロジェクトにも姿を見せなかった。1988年の映画「イマジン」には、ちょっと出ていたと思う。ヨーコさんとは切れていなかったということか。
しかし、事務を任されていた人の本ゆえに、財政面の出来事はかなり詳細に書かれている。アップルのオフィスが月に消費していたアルコールや嗜好品や贅沢な食材の量を記しているのは本書だけかもしれない。
出版時点では、ジョン・レノンの暗殺から3年しか経っていなかったため、ソロになってからの四人の記述はかなりレノン寄りになっている。特に、「失われた週末」から、ショーン君が生まれ、主婦活動に入るあたりは、感動的に描かれている。これを読んだ人レノン・ファンになるだろう。実際、初めて読んだ中二の時は心底感動したものだ。
「失われた週末」時代は狂ったように酒を飲み、荒れた生活をしていたジョンだが、興味深いのは、一緒につるんでいたハリー・ニルソンやキース・ムーンと違い、「このままじゃいけない」と思ったのがジョンであるということだ。規則正しい生活を送るために、スタジオに入って仕事をしているふしがある。
そのへんの勤勉さは、ビートルズのメンバーに共通してあるものだ。「レット・イット・ビー」撮影時のトゥイッケナムのセッションは、グループの崩壊を痛々しく記録したものだが、「アビー・ロード」を録音したのはそのあとだ。なぜ再び集まれたのか? これが最後だと約束したわけではなく、感動的なエピソードがあったわけでもないのに。
おそらく、メンバーそれぞれが持っていた不可思議な勤勉さが相互に作用したのではないか。
その勤勉さは教条的なものではなく、身体に刻まれたものだと思う。やり残した仕事があると落ち着かない体質というべきか。ワーカホリックに近いが、どこかで精神とも結びついている。ハンブルク時代に培われたものだろう。
ビートルズにおけるハンブルク時代のような時期を経ているバンドを思い起こすことは困難だ。そこには、下積みという言葉だけでは説明のつかない何かがある。

樹木希林さんが亡くなった。

夕方、7時に家を出る。自転車で中野へ。途中、新中野で祭をやっていた。中野通りを駅に向かう途中でもやっていた。北口に出て新井薬師に向かう途中では神輿が出ていた。今週はそこら中で祭をやっているようだ。

潮田くんと飲む約束をしていた。8時に新井薬師で待ち合わせだったが、30分早く着いたので、駅の周りを散策して時間をつぶした。7時50分頃にファミリーマートに入ると、潮田くんとばったり会った。彼はおにぎりを買おうとしていた。
潮田くんのなじみのバーへ行く前に軽く食べて飲もうということになり、「四文屋」に入った。カウンターがあいていた。ハイボール、煮込み、焼きとん、焼き鳥を頼んだ。
最近の仕事ぶりを聞く。ヘルプの受付仕事がコンスタントに入っているらしい。共通知人の舞台話も聞く。プロデューサーの才がある男で、どんどんお客さんを増やしているとのこと。

9時半に店を出て、バーへ移動する。何曲か歌う。途中、入籍したばかりのナルが来た。会うのは一年ぶりくらいだった。潮田くんが、「Can you celebrate?」を裏声で歌った。
そういえば安室奈美恵も引退した。

1時半まで飲んだ。金が足りなくなった。おろすのをすっかり忘れていた。潮田くんに多めに出させた。彼は暇になるとこの日記を読んでいるらしい。今度うまいものを奢るよ。中華でいいかい?

2時帰宅。