昔の漫画を読んで飲む

6時半起き。

朝飯にサッポロ一番とライス。先日の健診で、塩分量について講義を受けたが、それに反発する気持ちがあり、ラーメンのスープにライスを投入し、雑炊にして食べてしまった。

水耕トマトの様子を見る。主茎にした脇芽の第三花房が結実し、新しい脇芽が生え始めていた。根元の脇芽は茎が蔓状に丸まっており、ひ弱な感じがした。位置的に根が近いので、そちらに大きく成長してもらいたいのだが。

昼、ラジコで中日オリックス戦聞く。0-1で負けていたが、ディカーソンのホームランで同点に追いついた。

延長になってからラジコを消した。

冷蔵庫にバターが40グラムほど残っていた。新しいのを買ったので、余ったバターで何かクッキー的なものを作ろうと思い、ショートブレッドのレシピを調べてみた。バターを小麦粉の中で細かくつぶしていく作り方が紹介されていた。そのやり方なら心得がある。

で、小麦粉:バター:砂糖を、3:2:1の割合になるようにし、生地をまとめて Walkers のショートブレッドみたいな形に成形し、160度のオーブンで20分焼き、170度で10分追い焼きした。

できたショートブレッドは、膨れてしまい、ハッピーターンみたいな楕円状になってしまった。しかし、少し冷ましてから食べてみると、ショートブレッドそのものの味がした。嬉しかった。

夜、味つけ鶏もも肉、ザワークラウト、ポテトフライ。ザワークラウトは先月久しぶりに仕込んだもの。重石をしっかりのせたせいか、食感が柔らかくなっていた。3月以降、キャベツの値段がバカ高くなってしまい、春キャベツのザワークラウトはこの一回しか仕込めなかった。

『惑星ソラリス』見る。クリスが、ハリーをロケットに誘導し、宇宙ステーションの外へ放逐する場面から、再び現れたハリーと、ハリーが死んだ時のことを話す場面まで。ハリー役の女優が美しい。

缶サワーを飲みながら、昔のマンガを読んだ。それも、『AKIRA』と『風の谷のナウシカ』を交互に。

『ナウシカ』の漫画版を初めて読んだのは高校三年生の夏だった。テレビで放送された映画版ナウシカにえらく感動し、原作を読んでみたいと思って買った。当時はまだ連載が終わっていなかった。そのため全7巻のうち4巻が最新刊だった。

続きが読みたいと強く思い、連載されていた雑誌『アニメージュ』を買ったが、休載中だった。バックナンバーを探せば、4巻の続きが読めるんじゃないかと思い、神保町の古本屋に通ったが、ナウシカが掲載されている号は出回っていなかった。

それでも、関係ない号の『アニメージュ』を何冊も買った。結果、夏が終わった頃、にわかアニメファンになっていた。

『AKIRA』の1巻を買ったのは、ナウシカの続き探しに一段落ついた秋のことだった。没頭できる物語に飢えていたのだ。しかし、当時の自分には、サイバーパンク的世界観がしっくりこず、2巻まで買ってやめてしまった。

『アニメージュ』はその後半年ほど買い続けた。アニメ作家が本について語る号があり、押井守が『百億の昼と千億の夜』について語っていた。他にも、ハインライン、フレドリック・ブラウンなどのSF作家の名前が出てきたので、まるごと鵜呑みにして、神保町の書泉で買っては読みふけった。ハインラインが一番手に入りやすかった。

『アニメージュ』は受験が終わってから買わなくなり、アニメも見なくなった。

入れ替わるように、栗本薫『グイン・サーガ』にハマった。ヒロイックファンタジーだが、『ナウシカ』の世界観と似ている部分もあり、非常にとっつきやすかった。当時すでに三十巻近く刊行されていたが、2週間ですべて読んだ。

『ナウシカ』の、続きの単行本が出たのは、大学三年生になった年だった。高校三年生の夏から三年経ち、大人になっていた。国分寺の本屋で買い、サークルの部室で読んだ記憶がある。

その後、最終刊まで、単行本は順調なペースで刊行され、その都度買っていたが、高校三年生の夏、続き読みたさに身もだえしたような情熱は、もはやなかった。

『AKIRA』は、26歳の時に1巻と2巻を読み返し、昔読んだ時に比べてはるかに面白いと感じ、すぐに全6巻をそろえた。18歳の夏から8年経っていた。その間、色々なSF小説を読むなどして、フィクションの受入れ間口が広がっていた。筒井康隆のファンになり、26の頃はカート・ヴォネガットにハマっていた。

サイバーパンクのご本尊、ウイリアム・ギブソンの『ニューロマンサー』は、27歳の時に初めて読んだが、まったく頭に入ってこなかった。読み終わるまで一ヶ月くらいかかった。再読したのは7年前。初読時に比べると面白かったが、そもそも翻訳が読みにくいと思った。

今、『ナウシカ』と『AKIRA』を交互に読むと、どちらも等しく面白かった。古代都市の遺跡や、ネオ東京の廃墟など、どちらの作品にも、生きている人々の背後に、滅びた文明のイメージがつきまとう。

そのイメージは、80年代的な流行だったのかもしれないと思う。90年代になってからは、東西ドイツ統一とソ連の崩壊もあり、冷戦による核戦争の危機は、リアリティを失っていた。

『ナウシカ』を5巻まで、『AKIRA』を3巻まで読んだ。興奮したせいか、酔いが回った。

1時半就寝。