紅葉に追いついた

朝、6時半起き。朝飯がわりにカステラと果物をつまむ。

7時10分に実家を出る。近くのカーシェアへ。カーナビのディスプレイがタッチ式ではなく、サイドブレーキ近くのボタンを使って設定するタイプだったので、目的地設定に少々手こずった。

葛西中央通りから湾岸道路へ。高速に入ると案の定渋滞していたが、お台場を過ぎたあたりで解消され、そこからアクアライン経由で海ほたるに着くまでは終始空いていた。

海ほたるで、トイレ休憩がてら、少々観光し、朝飯におにぎり屋でおにぎりを買って車内で食べる。

再びアクアラインで木更津に渡り、富津中央ICから海沿いに出て浜金谷方面に向かい、鋸山登山自動車道に入る。急勾配を上り、山頂のパーキングに車を止めた。

入館料を払い、長い階段を地獄めぐりに向かう。今日のためにスポーツクラブで筋トレをしてきた母が、インストラクターさんに見せるため、階段を上っている写真を撮ってやった。

途中で道が二つに分かれていた。左側は『百尺観音』への道だった。そちらに寄ってみることにした。

巨大な岩を縦にまっすぐ切り、切り通しのようになっている道を進む。道の果てには、目的地の『地獄めぐり』が見えた。

やがて、岸壁に巨大な観音像が彫ってあるところに着いた。百尺ということは、高さおよそ30メートルということだが、実際、かなりの高さがあった。鎌倉の大仏より間違いなく高かった。

観光客のグループがひと組いたが、中国人観光客はまったくいなかった。

道が二つに分かれているところまで戻り、再び段差を上る。ここから先はそれまでよりも段が急になっていたが、母は手すりにつかまりながら、なんとか上っていた。

地獄めぐり手前の展望台を母のゴールとし、少し先にある地獄めぐりに行って見た。そこは、登り口に段差がなく、岩の傾斜を這い上っていくようなところだったので、自分しか登れなかった。

地獄めぐりから左を見ると展望台があり、下を見るとさきほど見てきた百尺観音の広場があった。

階段を下りパーキングに戻ると10時半を過ぎていた。鋸山山頂一帯は『日本寺』の敷地となっており、他にも大仏や五百羅漢など見応えのあるスポットがあったが、見て回る時間はなかったので、次の目的地に向かうことにした。

登山自動車道を下りる途中、見晴らしの良いところがあったので車を止めて写真を撮った。保田、安房勝山の海岸があり、小島の向こう側は岩井だろう。

麓に下り、国道127号線を北に走り、上総湊の手前で右折した。しばらく山に向かって進んで、県道182号に入った。そこは、もみじロードと言われている道だった。

もみじロードに入って少し進み、志駒不動様の霊水というスポットの駐車場に車を止めた。予定では、そこに車を止めてから、志駒川沿いに散策しながら紅葉を眺めようと思っていたが、その辺りはそもそも紅葉する木が少なかった。で、車をゆっくり走らせながら、もっと眺めの良さそうな場所を探すことにした。

道を進むと、道の両脇に紅葉した木々を確認できるようになってきたが、人為的に植えられたもので、サイズの小さいものも多かった。この県道をもみじロードと称することに決めてから、観光価値を高めるために植えられたのではないかと思う。実際、休みの日は屋台の出店が並び、臨時駐車場も設営されるらしい。

山中区公民館近くのパーキングに車を止めた。その辺りは志駒川沿いの紅葉が見事な眺めとなっていたので、川沿いを散策した。

公民館からやや南に歩くと、千葉産の米を売っている米屋があった。そこに寄り、実家用の米を3キロ買った。

時刻は12時を過ぎた。昼飯を食べる場所はいくつか調べていたが、もみじロードから近いところの2軒に向かうことにし、その前に、見たかった大山千枚田という棚田へ寄り道することにした。

大山千枚田は周囲に人家がまったく見えないところにあった。稲はひこ生えしたものがけっこう育っていた。蛙の鳴き声が聞こえたが、田の水は涸れていたので、どこにいるのか不思議に思った。

県道34号、長狭街道を鴨川方面に走り、道沿いの『名代屋』という和食屋に入った。ちょうど午後1時になるところだった。

海鮮ものが中心だったが、色々全部入った『名代定食』を頼んだ。旅館の食事みたいなメニューだった。

食事を終え、筒森もみじ谷に向かった。そもそも今日は、ここに行くのが本来の目的だったが、地図を調べると途中に色々あったので、寄り道に時間がたっぷりかかっていた。

長狭街道を外房方面に向かい、途中で道を北に曲がり、山に向かって進み、亀山湖を時計回りに迂回した。山と言っても千葉は高い山がまったくないので、実際は丘陵地帯だ。多摩地区と変わらない。

2時半頃に筒森もみじ谷に着いた。幅の狭い道を進むとき、2台ほどの車とすれ違ったので、平日とはいえそれなりに観光客が来ていたのだろう。

駐車場には、野菜を直販している農家の方々がいた。母が声をかけ、大根の葉をただでもらっていた。農家の人は躊躇なく捨てるらしい。ついていると実が萎むし、むしろ厄介なのかもしれない。

300円でさつまいもが売られていたので、ついでにそれを買い、車に葉っぱとさつまいもを積んでから、その辺りを流れている夕木川沿いを散策した。

もみじロードの紅葉と違うのは、色とりどりであるところだった。植えられているのもあるだろうが、ひとかたまりではないため、赤一色、黄一色ではなかった。周囲は静かで、猪や猿が出てきてもまったくおかしくない。

低山とはいえ、谷にあるためか、3時前なのに薄暗かった。今の季節だと、日が当たるのは正午を挟んでせいぜい2時間くらいではないだろうか。

3時に筒森もみじ谷を出て、トイレ休憩のため、養老渓谷の粟又の滝方面に向かった。

粟又の滝周辺は混んでいた。橋の上から渓谷の写真を撮りたかったが、駐車場が埋まっていたので諦めた。別の駐車場に車を止め、道沿いの紅葉を写真に撮り、本日の紅葉めぐりの締めとした。

小湊鐵道沿いに北へ走り、市原鶴舞ICから高速に乗る。

アクアラインからお台場まで渋滞続きで、実家帰宅は6時半過ぎになった。夕方は湾岸道路周りの方が早いかもしれない。

夕食は『宝亭』から出前をとり、カツカレーを食べた。

筒森もみじ谷で買ったさつまいもを焼いてみた。紅はるかのようなねっとり系ではなく、ホクホクした食感のものだった。甘かった。

もらった大根の葉を茹で、刻み、ごま油で炒めて、よごしを作った。葉の重さを量ると800グラムもあった。

11時就寝。