6歳の観客?

 朝、昨日の駄目出しをする。おそらく全員を集めての駄目出しはこれが最後。
 「前半を小気味よく乗り切らないと後半がもたないので、相手の台詞に対する妙な待ち時間を減らそう」
 といった感じのことを言う。
 あとは、役者それぞれに声をかけ、あそこはこうした方がいいと助言をする。
 
 「山ちゃん、昨日の電話だけど、現在6歳ということは、新一年生ということになるから、一応幼稚園は卒業してるんだよね?」
 「いえ、6歳じゃないですよ。9歳です」
 「なんだと?」
 聞き間違えたようだ。それなら問題ないじゃないか。
 
 2時開演。
 昨日と比べて笑うお客さんが多かった。
 いつもの芝居なら笑いが起きるとうれしく思うのだが、今回に関しては複雑だ。
 細部は笑えるけど、置かれている状況は笑えないからだ。
 
 臼井さんのお母様から差し入れに文庫本をいただく。
 図書館に行けず本不足にあえいでいたので、まさに干天の慈雨であった。
 しかし本番が終わるまでは手をつけられないだろう。
 
 5時頃松本さんが舞台美術の撮影に来た。
 旧知の役者嶋村太一くんのサイトで、松本さんが元カメラマンだったということを知った。
 
 その後、バラシの話をする。
 照明の機材を箱なしのトラックで運ぶのは不安に思われたため、バンを昨日予約した。
 照明機材の搬出と、打ち上げ後のトラック回送は自分が運転することになった。
 
 7時に夜の公演。
 土曜の夜というのに入りが今一だったが、芝居のできは良かった。
 坊主頭になった三代川が観に来た。
 公務員なのにいいのか。
 
 夜、再び「甘太郎」で飲む。
 松本さんから色々な話を聞く。
 カメラマン暦はかなり長く、それゆえにライティングや構図を考える癖がついているため、舞台美術への道には入りやすかったとのこと。
 空間へのこだわり方がうなずける話だった。