キルゴア・トラウトとヒゲオヤジ

 夏が好きであるが故に夏の日記は気候や天候のことを振り返ることから始まる。
 いや、始まっている。
 元々そうじゃなかったのだが近頃そういう風になってしまっている。
 これは一つの過敏状態だ。
 だからどうこうしようというわけではない。そうであるといったん自覚するだけ。
 あとは、もしも自分の無意識やら何やらが賢ければ、何とかなるだろう。

 カート・ヴォネガット「チャンピオンたちの朝食」読了。6年ぶり。
 たとえるなら手塚治虫の漫画にはいつもヒゲオヤジやアセチレン・ランプが登場するみたいに、ヴォネガットの小説にはしょっちゅう顔を出す登場人物というのが沢山いる。
 その中でもヴォネガットの分身というべきSF作家、キルゴア・トラウトが主人公。

 先々月からヴォネガットの作品を読み返しているのだが、お馴染みの登場人物について理解するには出版された年代順に読むのが一番いいとわかった。
 初めて読んだ頃は手当たり次第といった感じだったから、そういうお馴染みキャラクターを頭の中に展開するのに時間がかかった。
 最近の読み返し作業でずいぶん整理されてきた。
 同時にヴォネガット作品への愛着も深く濃くなった思いがする。

 ネットで調べてみたところ、日本人によるファンページがいくつかあった。
 廃刊となっている「パームサンデー」の復刊運動を呼びかけたりしている。
 そしてヴォネガットが「スラップスティック」という作品で提唱た政府から支給されるミドルネームによる架空の家族制度をネットのハンドルネームに採用していた。

 とりあえず今年の読書の秋はヴォネガット読み返しから始まる。

 朝に焼きそばを食べ、昼にあんかけ焼きそばを食べた。
 昨日から夜店にあるようなものばかり口にしている。
 さすがに飽きてきた。

 夜、久しぶりに実家に帰る。
 冷蔵庫にはさんまがあり、大根があり、小松菜の煮浸しやみそ汁があった。
 さっそく大根をおろしつつさんまを焼く。
 大根は例によって500グラムほどおろす。
 ご飯の1杯目はさんまで、2杯目は残った大根おろしで食う。
 食後、巨峰を食べ、いちじくの甘露煮と、六花亭のバターサンドを食べる。
 食い過ぎて苦しくなった。

 「虻一万匹」を読み返す。
 破綻している部分はないが、物足りない箇所がいくつかある。
 書き足して理屈っぽくなるのはまずいので、しばらくは現状のままで行こうと思う。

 寝る時に糸井重里の「萬流コピー塾」をぱらぱらめくる。
 この人は参加欲をかき立てるゲームのルール作りが本当にうまい。