9時過ぎ起き。外は曇り。気温は30度前後に落ち着いた。
昼、クリームシチュー、トースト、レタスと海苔のサラダ食べる。
30度前後に落ち着いたのに、部屋の中は蒸し暑かった。
グイン・サーガ123巻『風雲への序章』読了。前巻の終わりで、シルヴィアに別れを告げたグインは、アキレウス帝にそのことを告げる。アキレウス帝は、それでもお前はわしの息子だ、みたいなこと言い、グインは感動する、みたいな展開があるが、それはどうかな? シルヴィアとの別れ方は、途中で投げ出したみたいな印象があるし。その後、アキレウス帝から権力を委譲され、グインは如才なく君主としての仕事は始めるが、ハゾスはシルヴィアおつきだった女官達の処刑をグインに確認し、グインはうなずいたりしている。なんか、どす黒い。こんなのグインじゃないぞ。後半、イシュトヴァーンが出てきて、王としての自覚に目覚めたみたいな描写があったので、珍しくグインではなくイシュトでホッとしたが、それもつかのまだった。イシュトは、リンダをこましてパロを手に入れるみたいなことを言い出し、カメロンは「それはそうだが、しかし…」しか返さない始末。こんなのカメロンじゃない。
夕方、走りに行く。フォームローラーで筋膜リリースをしてから走り始めたので、息がまったく苦しくなかった。
長い距離ではなく、短い距離でインターバル走をやった。心拍数を上げたかった。400メートルほどをキロ3分台後半で走り、休んで、また400メートル走った。それを3本やり、200メートルを2本やった。心拍数は最高で165までしか上がらなかった。
夕食に、冷蔵庫に残っていた冷やし中華を食べる。
グイン・サーガ124巻『ミロクの巡礼』読む。前半はカメロンがブランに新たな使命を託す。イシュトじゃなく、ヴァラキアからついてきた部下達と話す時のカメロンは、豪放さを残していて頼もしい。後半はヨナが主人公。ナリスの墓に詣で、ミロクの巡礼に加わってヤガを目指すが、草原地方で騎馬の民に襲われ、自分以外皆殺しにあってしまう。描写はちょっとやり過ぎ。そこへヒーローが登場し、騎馬の民を皆殺しにする。お約束のように、正体はスカール。ヨナは、この衝撃的事件によって、ミロクの教義に疑念を持ち始める。
栗本薫が生前に書いたのは130巻までで、その先は五代ゆう氏など、他の作家により書き継がれている。124巻ともなると、おそらく栗本薫の病状は良くなかったと思われる。
1994年が、グイン・サーガだけでなく、栗本薫自身の転換点だったと思う。その年、長年『JUNE』に連載していた「小説道場」が唐突に終わった。連載中突然、編集者への不満を書くようになり、次の回はよそよそしくなり、その次の回に終わったのだ。まるで、薫ご乱心、だ。
そして、1994年頃から、グイン・サーガの刊行ペースがにわかに上がった。今にして思えば、イシュトヴァーンの行状が陰惨になっていくのはこの頃からだった。
調べてみると、1994年の9月に、グイン・サーガ45巻『ユラニアの少年』が刊行されている。確か、イシュトはリーロという少年と知り合い、可愛がるのだが、参謀のアリストートスによってリーロはさらわれ、たぶん殺されてしまう。非常に暗い結末だった。
モンゴールを奪い取るあたりまでのイシュトヴァーンは、まだ魅力的だった。グイン・サーガは、作者の精神状態が、登場人物のパーソリナティに影響を与えていると思う。イシュトはその典型ではないか。