新年会

 夕方、大学の後輩の芝居を観に行く。

 卒業してからも几帳面に観に行っていたのだが、昨年はどの公演も自分の芝居と重なり行けずじまいだった。
 おかげで今年の(昨年入学の)1年生の顔を知らずにここまできてしまった。
 ダイナマイト写真家、浅香などは、後輩の芝居の写真を撮影しているので、各世代の知名度は俺を遥かに凌駕している。
 2年前くらいまでは張り合えたのだが、今じゃちょっと無理。

 終演後、三代川に声をかける。
 「お前また声枯らしてたろ」
 と言ったら、いつになく慌てた様子で否定していた。

 オギノ式が新年会をやるというので、浅香の車で三鷹市役所まで送ってもらう。車中、静電気や昔のパソコンの話などする。
 彼はその昔、MZ2500というシャープのパソコンを持っていた。確かSUPER MZとか言われてたやつだ。

 オギノ式、丸ちゃん、わっちゃんが共同生活を営んでいる部屋は、三鷹市役所の近くだという。
 しかしそれしか知らなかったのでオギノ式の携帯に電話をしたが、何度コールしても出なかった。
 きっと酒が入って聞こえないのだろうと思い、住所を頼りに自力でたどり着いた。
 部屋は10人近くの猛者達で埋め尽くされており、既に宴たけなわといった感じだった。

 アンテナ小僧の川口さんが作った関西風のたこ焼きを肴に飲みに参加する。
 たこ焼きはふわふわしており、いくらでも入るほど美味かった。
 俺が着いてから少し経ってから、上の階に住む住人から苦情が来て、オギノ式が対応していた。
 「即刻解散したまえ!」
 などと言う、人に命令するのに慣れた感じのはげ親父だったという。

 その後、○×カンパニーの桜井さんがPCを起動しチャットを始め、回線の向こうのエロエロボーイと心温まる活字プレイを展開し、その様子を皆が大笑いしながら覗いていた。オギノ式は騒音を気にして、「静かにね。もう少し静かにね」とたしなめていた。
 そんなオギノ式とシュート猥談に興ずる。
 真横では横岳が漫画を読んでいた。彼女も猥談に慣れてしまったようだ。

 丸ちゃんは結構酔った様子であっちこっちをふらふらしていた。
 そしてしのちゃんは髪を思いきりばっさり切って、かなりボーイッシュな感じに変身していた。
 わっちゃんは共同生活における洗い物係らしく、結構几帳面に洗い物をこなしていた。

 音速かたつむりの家城君と、岡田陽さんも来ていた。というか、いっぱい来ていてしかも座が乱れていて、誰が誰だかさっぱりわからなかった。
 家城君は花王石鹸のマークみたいな顔をしているが、女装したら結構はまりそうだ。

 やがて会はゲームをやる人々と話をする人々に分かれた。俺は動くのが面倒くさかったので炬燵に入ったままずっと喋っていた。
 明け方近くにマミちゃんが来た。メークを落として洗顔し、水の冷たさに鼻を真っ赤にしていた。
 「け、毛穴が締まる…」
 「いいことなのかい?」

 結局朝まで飲んだ。純粋な意味で飲みつづけた。久しぶりだ。

  1. さやか より:

    今度、高崎君が出ると聞きました。大阪なので見に行けませんが非常になんだか私まで緊張してます(笑)皆さんお体に気をつけて頑張って下さい!