昼の12時頃目を覚ますと、家城君と岡田さんがパソコンに向かいオギノ式の似顔絵を描いていた。
マミちゃんはコタツで寝ていた。丸ちゃんも自分の部屋で寝ているという。
他には誰もいなかった。
家城君と岡田さんは昨日の残りのご飯をむしゃむしゃ食べ、帰って行った。俺はまだ寝足りなくて、横になった。
起きると、マミちゃんも帰ってしまっていた。
時刻は3時半だった。かれこれ9時間は寝たことになる。隙だらけだ。
外に出るとPHSに着信履歴があることに気づいた。望月からだ。
「もしもし」
「あ、塚本だけどさ、昼頃に電話くれた?」
「ええ。あの、阿佐谷南南京小僧の稽古日程を教えてください。わかってからでいいんで」
「わかった」
「あと、ドラクエなんですけど、大金持ちがいるじゃないですか。あいつに会うにはどうすればいいんですか?」
「はあ?」
「もうかれこれ10時間探しているんです。お願いです。教えてください」
結局思い出せず、教えられなかった。
小金井に帰り、着替えてから新宿へ。何と今日から劇団阿佐谷南南京小僧の稽古が始まるのだ。
稽古場は雑居ビルの地下。毎回変わるのではないので、助かる。
顔合わせの後すぐ稽古が始まった。しかし俺の役はまだ保留らしい。
今回は男が多い。竹内君、中山君、劇団空中バレエ主宰の坂、ゲキダーンに来ていた宇原君、ミスターオクレ似の阿部君、飯野が以前共演したことのある東さん、主宰である\\\”破戒僧\\\”飯野、そして俺。
女の子はしのちゃん、そしてマグネシウムの「夏の子プロ」「暮れなずめ街」出演の加奈ちゃんのみ。
本番は2月の23日からだ。結構時間がないかもしれない。
稽古の後、ジョナサンで軽く飯を食う。
スパゲティのライトミールセットを頼んだのだが、粉チーズをかけ忘れたまま全部食ってしまった。
悔しいのでシーザースサラダを追加注文し、粉チーズをかけまくる。
10時過ぎに解散。
坂、中山、竹内の極道トリオは、これから昨日俺が行った後輩の芝居の打ち上げに殴り込むのだと言っていた。
俺は辞退した。明日は早いのだ。
加奈ちゃんと中野坂上まで歩く。
「稽古場寒かったですね」
「そうね」
「私、冷え性なんです」
「そうなんだ」
「昔、冷えすぎて膀胱炎になったんです」
「なんだと」
「だから冷えるのが怖くて」
「そりゃ怖いわな」
夜11時、実家へ。