ボヒーミアンラプソディ見てきた

朝6時半起き。風呂に入り、サンドイッチを食べ、8時過ぎに家を出る。
井の頭線で渋谷へ。

先日飲んだ時、Tさんから「ボヘミアン・ラプソディー」を勧められた。
その後、ハギノくんにも勧められた。
行こうかなあ、どうしようかなあと思っていると、年末にTさんからLINEが来て、映画のボーカリストがオーディションを受けている映像を紹介してもらった。Tさんはすでに2回見て、クイーンにはまっているという。
いくなら付き合ってくれるとのことだった。背中を押されている。これは、見る運命にあるのだと思った。
それで今朝、午前中一番早い回を見るために、渋谷TOHOシネマでTさんと待ち合わせた。

チケット発券ができなくて焦った。予約時に自分の電話番号を間違えて入力したためだとわかった。危ないところだった。

で、以下は、見た時の感想。
先にFACEBOOKにて下書きしたものを書き写す。

創作であり、伝記ではなかった。伝記であるなら、全体120分として、40分目に「ボヘミアン・ラプソディ」、80分目にライブエイドだろう。

いや、ライブエイドは60分目に持ってきてもいい。残り半分に、「バルセロナ」フレディの発病。史実通り作曲者がすべてクイーン名義になった「ザ・ミラクル」レコーディング。壮絶なる「イニュエンドゥ」レコーディング。そしてフレディの死。これで後半の中身はパンパンだ。でも、エンドロールには、フレディトリビュートコンサート映像を重ねて欲しいな。誰に頼んでるんだわたしは?

だが、そうすると、ただのドキュメンタリーになってしまう。そして、ドキュメンタリーという形にした場合、日本において今回のようなクイーンブームが沸き起こることはなかったはずだ。事実に入り込んだ「虚」と、それによって醸し出される「まるで真実」感が、圧倒的な感情移入促進力を発揮したのだ。

クイーン、というより、フレディ・マーキュリーの知名度はもともと高かった。誰もが一度は聞いたことがあるはずの曲が、クイーンには少なくとも四曲、いや、五曲、いや、六曲‥(以下無限ループ)‥あった。
アルバムをすべて持っているファンの数は多くないはずだが、クイーンは、全アルバムを集めるのがそれほど難しくない。わしも集めたくらいだ。しかし、ベスト盤の「グレイテストヒッツ」の1と2がグレイト過ぎるため、それで済ます人が多い。

ちなみにストーンズは大変。ビートルズは簡単。ザ・フーもまあ簡単。キンクスは大変。

アルバムを全部持っているのが真のファンだと定義するのはいささか強引だが、すくなくとも、にわかではない。そういう人々は、「誰もが一度は聞いたことがある(以下無限ループ)」系の曲はおいといて、セカンドアルバムの「クイーンII」をノルマ視したり、あえて「ホット・スペース」を深く聴き込んだりする。あと「メイド・イン・ヘブン」に見向きもしなかったりする。だって「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」って、もともとフレディのソロだもん。80年代にCMで流れてたもん。あまり売れなかったもん。当時からクイーンの曲って感じしなかったもん。

そんな、自分なりのやり方でクイーンを愛してきた「もんもん族」たちは、今回の映画を見て「悶々族」にならなかっただろうか?
これまでは、クイーンを愛せば、音楽がそれに応えてくれていた。それだけで良かった。

だが今回の映画は、自分以外の誰かがクイーンを愛するところを、見させられる。自分以外。すなわち、監督、役者、ライター、スタッフ陣。
これって、愛する人が寝取られている場面を見ながら、愛する人の美しさにうっとりしているようなものではないか?

そりゃ、大英帝国は本国で、クイーンは国民的バンドなわけだ。当たり前とも言える。でも。イギリスよりも日本の方が先に人気が出たんだぞ、とか。初来日の時にファンがキャーキャー迎えてくれたのは日本が初めてでメンバーはすごく感動したんだぞ、とか。それをふまえての「手をとりあって」日本語詞なんだぞ、とか。「ジャズ」リリース時のパンク旋風吹き荒れる英国音楽界はクイーンを史上まれに見るバカ扱いしたくせに、とか。色々な醜きメタボ雑念が頭をよぎる。
だいいち、1976年から1984年までの活動は、描かれていないに等しかったじゃないさ!ライブエイドのクイーンは確かに素晴らしかったけど、ほかにも、U2、ジョージ・マイケル、デビッド・ボウイ、ザ・フーが素晴らしかったじゃないさ!ライブエイド=クイーンというふうに、見る人に思わせてはいけないと思うなあボクは。

ライブエイドで、メンバーは、演奏を始めるまで、けっこう軽い感じで臨んでいたはず。ところが、思いがけなくいいパファーマンスができて、結果的に解散気分が吹っ飛んだんだと、ブライアンかロジャーが言ってた。

が、創作なら、これでいいのだ。むしろ、こうでいいのだ。

初期の演奏場面がサイコーだった。「FAT BOTTOMED GIRL」なんか本物より良かった。初期というより中期だけど。

でも、何度も見たいとは思わなかったなあ‥
今度は本物を楽しみたいと思った。
スマホのプレーヤーにクイーンの全アルバム入れとこうとか。ライブエイドのDVD全部見直そうとか。そっちの欲が強まった。

わし、ライブエイドの翌年にやった、ウェンブリースタジアムのライブビデオ、持ってたのよね。探したら見つかるかなあ。

いや、見て良かった。手に汗握った。
あと、立ちたかった。立って、体を揺らしたかった。
できなかったから、座ってずっと貧乏ゆすりしてた。

そして、見て辛かった。
辛いけど良かった。
痛いけど気持ちよかった。
もっと!
ああダメそんなこと!
とか思った。
いや思わなかった。

終わった時、手に汗をかいていた。
終始、変な態度をとっていた。
変な態度。
略して、ーー

12時から新年会だというTさんと別れ、銀座線で実家に帰った。またメルカリで雑誌が売れたのだった。発送するために帰るというのも妙な話だが。
途中、ヴァンベールでトレンチコートを買った。衣装向きのもの。

夕食のカレーを作り、FACEBOOKに映画の感想を書いた。下書きツールとして使った。
昔はmixiをそうやって使っていたが、あっちの方が不特定の読者に読ませることができたので便利だった。
まあ、「ブログでやれ!」的な文章なので、こうしてブログでやっているわけだが、オレと精鋭美女軍団50名を無人島に残したまま世界が滅亡して、インフラはそのまま維持されていて、そんで無人島でブログ更新していても、今とそんなに変わらないんじゃないかと思う。時々、エス、エス、なんだっけ‥そうそう、SNKに、アク、アク‥アクセクすると、反応のいいこっくりさんをやっているみたいで楽しい。ゾワゾワする。CKB「路面電車」ガタンゴトン。
今とそんなに変わらないと言っても、今、美女軍団を侍らせているわけではない。もちろん侍らせたくないわけではない。そんなわけがない。

夜、実家冷蔵庫ありものカレーライスを食べた。賞味期限が切れたかにかまを入れたら、思いのほかいい出汁が出た。

「バガボンド」読む。実家にあるのは10巻まで。買ったのは2001年頃だ。その頃までは途切れなく連載が続いていた。
柳生に乗り込むあたりまでは連載をしっかり追いかけていた。佐々木小次郎が成長するあたりまではなんとなく覚えているが、その先は休載が途切れ途切れに続いて、たぶんほとんど読んでいない。
単行本は37巻くらいまで出ているらしい。しかし、1巻から10巻までのペースが続いていたら、37巻は2007年くらいに刊行されていたはずだ。現実には2014年に出ている。7年分、ずれているということか。今はもっとずれているだろう。
しかし、「AKIRA」も「風の谷のナウシカ」も、長期休載をはさんで完結した。無理やり終わらせるよりは、作品が導いてくれる力にさからわず、あるべき形に帰結させてくれるであろう井上先生を信じたほうがいい。

本に積もっていたホコリを吸い込んだせいか、ちょっと咳が出た。まるで小学生の時にわずらっていたぜんそくの発作みたいだった。