走って太って

 昼に起き、紅茶を飲んでビスケットを食べた。
 4時に中野坂上にて、望月と「ギョーザ大作戦」の決算と、今後の活動についての話し合い。
 マックの2階で話したのだが、10月だというのに8月のような冷房の入れ具合で、体がすっかり冷えてしまった。

 6時から稽古。
 代々木公園までマラソン。

 マラソン後、パンを食っていたら、東さんが阿佐ヶ谷南南京小僧のチラシを手に話しかけてきた。

 「ドカ君が、マグネシウムリボンだよね」
 「ええ」
 「南京が、飯野で、カタギノマタギは?」
 「それは僕が木野さんのところで一緒だった松本健という男が主宰です」
 「あ、そうか、本健だ」
 「はあ?」
 「名前の、本と、健が一緒で、こんがらがっちゃったんだ。俺はずっと、ドカ君がカタギノマタギの主宰だと思ってたからさ」

 なるほど、確かに紛らわしいかもしれない。
 そういえば、俺も彼のことを「健ちゃん」と呼んでいるし、他の人々は「健さん」と呼んでいる。
 しかし、俺だって、「健さん」のはずだ。
 なぜ呼ばない?
 というより、かの高倉健と同じあだ名で呼ばれるのは、恐れ多くて、勘弁してくれという感じだけど。

 舞台装置についての話し合いのあと、抜き稽古をしてから、出来ているところを通す。
 東さん曰く、テンポとテンションはいいとのこと。

 12時近くに小金井へ。
 シャワーを浴びる前に体重計に乗ったら、衝撃を受けた。
 なんと、4キロも増えているのだ。
 毎日毎日稽古前にマラソンし、油ものは控え、酒量を減らし、間食をしないこの俺が、なぜだ?
 1キロ2キロの増加ならわかるが、4キロとなると、ちょっと考えられない。
 思い当たるふしは一つだけだ。
 8月のあたまから、タバコを吸っていないということ。

 それにしたってあなた、あたしはタバコ吸ってた時分より、カロリーちゃんを消耗してるんですぜ。
 憎たらしいったら、ありゃしない。
 こうなったら、体重が元に戻るまで、非常手段をとってやる。
 人を馬鹿にしやがって。