マイナスイオンが降り注ぐ

 昼過ぎ、貫井神社に行った。
 学生の頃はしょっちゅう来ていたし、通学路の途中でもあったのだが、駅の近くに引っ越して以来ずっと立ち寄ることがなかったのだ。
 あらためて訪れたのはたぶん8年ぶりだ。

 ベンチに座り、湧き水の音に耳を傾け、巨木などを眺める。
 マイナスイオンの洪水だ。

 神社の脇にある坂を、近所のおばちゃんが降りてきたのだが、その後ろを猫がニャーニャー鳴きながらついて来ていた。
 「一緒に散歩したいんだよね」
 と、おばちゃんは言っていた。
 実際、猫はおばちゃんの後を忠実にくっついて歩いていた。

 夜、久しぶりに手製の皮でギョーザを作る。
 7月の芝居、「ギョーザ大作戦」が終わってからしばらくは、餃子との関係がギクシャクしていたが、あれから3ヶ月が経ち、互いのわだかまりや誤解も解けた。
 というわけで、手作り水餃子を作り、ぺろりと食べ、それが桟敷童子本番前最後の休日のエンディングとなったのである。