緊張感の伴う元旦

 昨年とはうってかわって、呑気さの中にある種の緊張感をはらんだ、まるでアフガニスタンみたいな正月を今年は迎えたのである。
 なぜそのような状態なのか。
 それはもちろん本番が近いからである。

 「正月返上」という文字がちらちらと脳裏に浮かぶ。
 が、やはり正月はちゃんと迎えるべきだ。
 なぜか知らないが、その辺は妙にかたくなな自分がいるのだ。

 というわけで、昼過ぎに目覚め、お煮染めなどを食ったり雑煮を食ったりしながら、いつ何が起こっても対応できるような臨戦態勢にて2003年元旦を過ごした。
 言ってみれば、塹壕で剛胆さを装いつつ酒をくらう古参兵みたいな心境だ。
 爆弾が飛んできたら、そら、逃げる。
 でも、酒は忘れない。
 この精神か。

 昨日の大晦日は紅白と猪木ライブをはしごした。
 猪木ライブは猪木様が御輿に担がれて登場して来た。
 しかし試合の方がどれもこれもしょっぱかった。
 安田はTKO負け。
 藤田はミルコにリベンジならず。
 高山はサップに秒殺される。
 唯一、吉田の試合が興奮できた。
 思わず拳を握りしめ、「日本柔道恐るべし」とひとうなりしたほどだ。

 明けて元旦だが、テレビをつけてもぱっとせず。
 畢竟、似たような番組ばかりに思えた。
 かくし芸もつまらない。

 そんな中、昼に初詣に行った。
 去年同様近所の神社だ。
 ここは天神様が祀られており、毎年受験生が沢山来るのだ。

 去年は紅白を見た後に行ったが、今年は寒くて室内に釘付けとなってしまったので、明けて元旦の昼に行ったというわけ。
 昼でもそれなりに行列が出来ていたから、近所の人々は皆この神社に来るのだろう。

 御神籤は中吉だった。まあまあか。

 オギノ君から元旦メールが来た。
 風邪を引いて寝正月になってしまったらしい。災難だ。

 夜は熱燗を延々飲む。
 一人暮らしをして初めて、こたつが欲しくなった。