女優におしおき

 朝っぱらからどうも眠くて調子が良くなかった。
 昨日の酒が祟ったわけでは無いだろうが体中の血が滞っているような気がした。
 赤血球が牛歩戦術しているみたいだ。
 座ったり立ったり、伸びたり曲げたり、吸ったり吐いたりと色々やってみたのだが、良くなる気配はなかった。
 そのまま夕方から稽古。
 南中野。

 チーム下剋上の写真を見せてもらった。
 芝居と打ち上げの写真。
 女の子が沢山いて、衣装もかわいく華やかだ。
 レオタード姿の女の子の写真を見せられた。
 「この子がうちの看板女優ですよ」
 と柴崎さん。
 マミちゃんが着替えから戻って来て言った。
 「あ、写真? 見たい」
 アルバムを渡した。
 「可愛いねこの子」
 「下剋上の看板女優なんだってさ」
 「え? パンパン女優?」
 「馬鹿者」
 思わずマミちゃんをぶっ叩いた。
 「どういう女優だそれは」
 「ごめんなさい」
 「誰を相手にするのだ」
 「ごめんささい」

 後半の部分を稽古した。
 気がついたところをノートに箇条書きしたら、2ページに及んだ。
 時間をかけてそれらを説明する。
 再びシーンをやり直してみると、見やすくなっていた。

 後半稽古をひとまず終えてから、前半をざっと流してみる。
 不思議なもので、台本に慣れたせいか会話部分が随分と自然になっていた。
 自然になればそのテンポは心地良くなってくる。
 もう少しだ。

 帰り道新中野まで歩く途中島根さんに襟元を指さされた。
 「先生、寒くないですか?」
 確かに寒かった。言われて気がついた。

 うちに帰ってからサラダを食べ、おとなしく1時に寝る。

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