ミルコ・クロコップが定める壁

 スポーツ新聞各紙の一面を飾ったのはミルコ・クロコップとボブ・サップの試合だった。
 格闘技ファンの大方が予想したとおりミルコが貫禄勝ちをおさめた。
 まあ、そりゃそうだろうよ。
 あれだけメディアに露出しまくっていたサップに練習などする暇はなかろう。

 ボブ・サップが超有名になったればこそ、ミルコはこれまでのどの勝利にも勝るインパクトを観客に与えた。
 しかしミルコにCM出演はして欲しくない。
 せいぜい格闘技番組のインタビューにとどめて欲しいものだ。

 それにしても近年まれに見るほど教訓めいた試合だった。
 校長先生が朝礼で話す内容みたいだ。

 しかしもしもサップがミルコに勝っていたら、確かに格闘技界そのものがヤバかったかもしれない。
 強さのバランスや価値基準が完全に壊れてしまうからだ。
 練習不足の非・打撃系ファイターが、打撃系出身のファイターに体力だけで勝ってしまうだなんて。
 ホーストとの2試合だけでそれはもう沢山だ。

 ただし、試合が打撃ルールだったということは、考慮しなければなるまい。
 K-1ではなくPRIDEだったら、やはりミルコよりサップの方が有利ではないだろうか。
 新聞によっては、この試合でサップがすべてを失ったような書き方をしていたが、それはさすがにないだろう。

 昼、南青山の公園で桜の開花を確認した。
 先々週の寒さが嘘みたいだ。

 プロ野球も無事開幕した。
 今年はオープン戦で中日が調子よかった。
 福留の打撃が非常によい。
 今年も首位打者を狙える位置にいる。
 巨人、中日、阪神の三つどもえではないかという意見が多い。
 中日ファンであり星野監督ファンである俺にとっては10月まで楽しめる展開は大歓迎だ。
 去年はオールスター後に巨人が独走したためつまらなかった。
 やはり9月中旬まで競って欲しい。
 どこを応援するかは非常に迷う。
 阪神と中日のどちらかが優勝してくれたら嬉しい。
 中日は丹誠込めて育てられた選手達といった印象が強く、阪神は星野監督の大胆な「戦略」に基づいた新戦力が魅力的だ。
 そして巨人は松井が抜けてもやはり層の厚さでは一番だ。
 中日は巨人との開幕3連戦を2勝1敗で勝ち越した。
 昨日の試合は10対9の乱打戦だった。
 かつての貧打チームとは違うようだ。
 阪神も初戦を落としたものの残りの2試合は危なげなく(不気味に)勝ち、2勝1敗。
 今年のプロ野球は楽しませてくれそうだ。

 夕方、米と卵、野菜などを買う。
 冷凍庫にあった鶏肉を使って簡単な鍋にする。
 具は長ネギ、豆腐、えのき、麩。
 味付けは醤油とみりんとだし汁。
 簡単であっさりした味付けだが、まあまあ食えた。