鎌倉へ

 大雨が上がって一日おき、鎌倉へ行った。
 この時期の鎌倉だから目的はもちろん海。
 そして「キャラウェイ」でカレーを食べる。

 まずは11時過ぎに「キャラウェイ」へ行き、チーズカレーを食う。
 ここの店員さんは注文をすると必ず、
 「当店のライスはかなり量がありますけれども、普通サイズでよろしいですか?」
 と聞いてくる。
 かなりあるといっても常識の範囲内なので、普通サイズのまま頼む。
 大体一合強。

 チーズカレーを食い終わり店を出ると早くも行列ができかけていた。
 並ばずに首尾良く食った後に行列を眺めることの快楽を味わってから由比ヶ浜に行く。
 時刻は正午。
 タイミング良く太陽も顔を出した。

 そして浜辺は空いていた。
 たぶん気温がそれほど上がらず、朝から涼しかったからだろう。
 ところが正午はそれなりに気温も上がり、浜辺は空いており、7月のこの時期にしては実に快適な環境となっていたのだった。

 とりあえず一泳ぎしてから海の家で昼寝をした。
 客の絶対数が少ないので、どこの海の家も客引きに一生懸命だった。

 2時頃空が曇り始めた。するとそれまでは心地良かった海風が冷たいものに感じられるようになった。
 しばらく待つと太陽は再び顔を出した。
 するとまた風が熱をはらみ、心地良いものになる。
 小さい頃から海水浴をする時はずっと晴れているのが当たり前だったので、「北風と太陽」みたいな現象を体感したのは初めてだった。

 空いている海を泳いでいたら、どこかのカップルが水が肩までくるあたりで抱き合っていた。
 それだけならいいけど、腰のあたりが変な動きをしてるというか、どうも本当にやっちゃってるみたいだった。
 昼の3時に子供もいる海で何をしてやがんだと思いながら沖まで泳いだのだけど、戻ってくる時にその二人がこっちをじっと見ていた。
 のぞき野郎と思われたらしい。
 沖を海岸と平行に泳いで奴らをやり過ごし、大きく迂回する形で岸に戻った。
 途中肩越しに奴らを見ると、とてつもなくディープなキスをしていた。
 サメ来い、サメ。

 結構な距離を泳いで岸に上がると空がまた曇り始めた。
 風も強くなってきたのでシャワーを浴び撤収。

 夕方、小町通りで紫いもソフトクリームを食べ、サイゼリアでかるくスパゲティを食べた。
 やはり泳いだ後は全身がぐったりと疲れる。
 帰りの電車では東京まで眠っていたし、東京から武蔵小金井までも眠ってしまった。
 体はすこし焼けた。
 大して晴れていなくても焼けるのが海。