新発売コーラC2、そしてシガテラ

 新発売されたコーラC2を試しに飲んでみた。
 軽い。
 そして薄い。
 コーラ好きの人間が持っている、健康への屈折した心理をわかっていない。
 べとべとするような濃さと、喉が痛くなる炭酸のきつさこそが、小さい頃駄菓子屋で飲んだコーラの味だった。
 ちょっと前に出たバニラコークといい、やはりコーラの亜流は駄目だ。
 真コーラ、本コーラでないと。

 レーガン元大統領が亡くなった。
 93歳という年齢を聞いて驚いた。
 大統領に就任したのは69歳の時だったのだ。
 これは史上最も高齢で大統領に就任した記録だそうな。
 就任中よりも、任期が終わってからの評価の方が高かった。
 こういうのは歴史のマジックといえる。
 松田優作が亡くなった時だって、メディアの扱いは今から思うとずいぶんと軽いものだった。

 首都圏が先週梅雨入りし、今日はまごうかたなき梅雨の一日だった。
 雨が降ったりやんだり。
 地面も大変だ。濡れたり乾いたり。
 この季節辛いのは、昔やっていたバイク便のライダーだ。
 コンテナには合羽を常備しておくのは当然のことだが、雨が降っている時はともかく、そうでない時は暑くて仕方ない。
 だからといっていちいち着たり脱いだりするのは、長靴を履いている関係上非常に面倒なのだ。

 しかし、俺は梅雨に生まれた。
 小さい頃は保存技術の関係から、6月の誕生日のケーキはみんなバタークリームを使っていた。
 生クリームの誕生日ケーキが食べられるようになったのは、小学5年生の時からだ。

 最近ではバカケーキ(スイスロール)のクリームでさえ、昔のような固いバタークリームではないホイップクリームを使っている。
 だから、バカケーキといえどもあまりバカじゃなくなっているのだ。
 ケーキ界のバカの壁が崩れつつあるのか。

 ヤングマガジン連載の古谷実「シガテラ」を読む。
 前作「ヒミズ」は最近舞台化されたらしい。
 しかし、「シガテラ」は「ヒミズ」と比べると明らかに円熟度を増していると思う。
 主人公荻野のごく普通な高校生活が、いじめっ子谷脇やいじめられっ子高井森の狼の壊れたエピソードと、同じ作品世界で成立している。
 これは、実はすごく難しいことだ。
 普通はダークなエピソードの方が普通な高校生活を食ってしまうのだが、荻野と彼女の恋愛話などは、その暗さとはまったく関係なく展開されている。
 並大抵のことではない。
 作者のバランス感覚は、物語を語ることのできる様々なジャンル中、最も先を走っているのではないかと思う。
 「ヒミズ」でさえまだ演劇で表現するには難しいのではないか。
 「グリーンヒル」のダークなエピソードでやっとなんとかなりそうな気がする。