最近は図書館に行く時間がなくて、読む本に事欠いている。
そこで、本棚から昔読んだ本を適当にみつくろって鞄に入れることになる。
しょっちゅう読み返している本もあれば、10年以上前に一度だけ読んだきり、どんな内容なのか忘れてしまったものもある。
ル・グインの『オルシニア国物語』を本棚に見つけた。
これは18歳の時に買い、あまりの読みづらさに2度ほど挫折した本なのだ。
今なら読めるだろうかと思い、鞄に入れることにした。
この作品は、東欧にある架空の国「オルシニア」を舞台にした短編集で、それぞれの短編に時代的もしくは物語的なつながりはない。
そのため、全体を通して読んでも、オルシニア国がどういう国なのかがよくわからない。
短編に書かれるエピソードは、ごく普通の人々のなんでもないものばかり。
このなんでもなさが、若いときには苦痛だったのだろう。
再読してみると、読みづらさは感じなかったが、かといって面白いかというと答えに窮する。
ル・グインのほかの作品、たとえば有名な『ゲド戦記』や、『闇の左手』『所有せざる人々』に比べると、物語の面白みがほとんどない。
逆に言えば、だからこそオルシニア国のリアリティが増していくのかもしれないが。
ル・グインだと思って読まない方が、よく頭に入るかもしれない。
夕方、大和町で稽古。
ストレッチをして、通しをする。
ラストシーンの台詞がぽーんと抜けてしまった。
悔しい。
通し時間は1時間17分だった。
台詞のミスがなければ、もっと短くなるかもしれない。
中山君、通しを見に来る。
途中何ヶ所か、ケラケラ笑っていた。
稽古後、飲みには行かず真っすぐ帰る。
太田君と高円寺駅まで話しながら歩く。
かつて芝居を上演した時の話など聞く。
11時帰宅。