独読書

 9時起き。
 ブログの引っ越し作業をし、台本書きのために本を読む。

 黒澤明『蝦蟇の油』再読。
 植草圭之助『わが青春の黒沢明』に書かれていた同じことが、黒澤明の目には全然違って見えているようだ。
 どちらかというと黒澤明の方が楽天的だ。

 植草の見た黒澤明は長身白皙の才人で、己があまりにも光り輝いているため、道ばたではいつくばる弱者の存在を認めない傾向がある。
 弱者の存在を認めないという部分はわかるが、己が光り輝いているという部分は違うと思う。
 黒澤明は、自分が弱い人間だったからこそ、底辺の人々を見るに堪えなかったのではないか?
 地面をはいつくばる人々に自分自身を見つけるからこそ、彼らを認めることをことさら避けてきたのではないか?
 そんな気がしてならない。

 夕方、鶏ガラと長ネギを煮込んでスープを作り、それで鍋物を作った。
 野菜をたっぷりとることができた。

 椎名誠『春画』少し読む。