どういうわけか気まぐれで、朝顔の種を植えた。
100円ショップで買ったプラスチックの鉢に、種を5つ。
朝顔の種を蒔いたのは、たぶん小学生の時以来だ。
その頃住んでいた家は、太陽が午前中しか当たらなかった。
しかも限られたその時間帯は、布団を干すのに最大限使われたため、朝顔は布団の陰になることが多かった。
それでも夏の日の朝、花が咲いたのを覚えている。
ラジオ体操にいく前、紫色の花を見た。
しかし、日光不足で育ったためか、種はほとんど取れなかった。
翌年はひまわりの種を植えたが、これも同じだった。
前に住んでいた小金井の部屋には、建坪率の関係で庭のようなスペースがあった。
住んだ最初の年、そこにジャガイモやサツマイモを植えてみた。
ジャガイモは梅雨を過ぎた頃、あっという間に害虫によって食い荒らされてしまった。
サツマイモはどん欲にツルを伸ばしたが、地面が固すぎたためか、芋はまったくできなかった。
庭の地面はいろいろなものが埋まっていて、そういった作物を育てるには不向きだったらしい。
子供の頃読んでいた『ももたろう』や『さるかに合戦』の絵本は、いとこのお下がりだった。
絵は日本画で、桃やきびだんごや、柿やおにぎりが、本当においしそうだった。
それらの絵本の影響で、昔から、食べられる作物を育てることにあこがれていた。
特に果物。
今でも、街を歩いている時に柿の木などを見つけると、ついつい見入ってしまう。
大抵は渋柿なのだが、それでも、
(もぎたい)
という誘惑に駆られる。
3年前の梅雨時に、近所のビワの木から実を大量にもいだことがある。
https://mgribbon.com/2003/06/27.php
そのビワの木は、駐車スペースの脇に手入れされることもなく生えていた。
だから、実を盗んでいるという感覚はなかった。
とはいえ、真夜中に酔っぱらっての所行だ。
なっている実の9割を、もいでもいでもぎつくしたのは、やり過ぎだったと反省している。
そのため、去年も一昨年も、そのビワの実はもがなかった。
しかし、誰ももがないと、熟した実が地面に落ち、虫がたかる。
もいでやった方が良かったのだろうか?
夕方実家へ。
今日は30度近くまで気温が上がった。
海に行きたい。
食後、途方もなく眠気を感じ、10時半まで寝る。
起きてからシャワーを浴び、松本さんと電話でチラシの打ち合わせ。
舞台の使い方を変えようかと考える。
一つの空間を小さく分けるのが、どうも面白くない。
シーンごとに全体を使うべきなのだ。本来は。
そのやり方を考えるが、いい案は浮かばず。
稽古場で試したり、舞台美術の打ち合わせをしながらヒントを得た方がいいのだろうか。