悲観と楽観の同居

カート・ヴォネガット『スローターハウス5』読了。
ヴォネガットは、第二次大戦末期に、ドイツ軍の捕虜となった。
そして収容されていたドレスデンで、連合軍による大空襲を体験した。
ドレスデン空襲体験を本にする試みを数十年続け、結果として60年代に完成したのがこの本だ。
空襲そのものについての描写は、非常に少ない。

<ヴォネガット>で検索すると、追悼文を書いている人の多さに驚く。
ここまで愛された作家は珍しいと思う。

昨年オハイオ大学で行った講演では、アイロニーに満ちた刺激的な発言を繰り返している。
冒頭いきなり「ブッシュは梅毒大統領です」とか。

発言内容は悲観的なのに、楽観的気分も失わない。
重要なのは、楽観的気分で悲観的事実を覆い隠さないことだ。
楽観と悲観が同居している。
その境地に、あこがれを感じる。

夕方、中目黒へ。
『おとな達の話』と『素足で散歩』を稽古する。
『おとな達の話』では、日曜日の通し稽古で、衣装と動きの問題が発生した。
どちらかを捨てねばならない。

夜、実家へ。
川口松太郎『人情馬鹿物語』読み始める。

書きためていた日記をブログにアップした。
最近更新が滞っていたが、ようやく追いついた。