お好み焼き予習復讐

夜中の三時に目が覚めた。水を飲もうと思って冷蔵庫を開けたが、なかったので、コンビニに行きミネラルウォーターとサイダーを買ってきた。サイダーを飲んで十五分くらいしてからまた寝た。

七時半に起きた。ヨーグルトとプルーンを食べ、おでんの残りの大根を食べた。

八時半過ぎに家を出た。小雨が降っていたが、本降りにはならなかったので、自転車で仕事に向かった。
チームリーダーが金曜に続いて休みだった。

昼、西新宿の「シャンティ」というレストランへ。NTTビル近くにある、隠れ家としか言いようのない店だった。ナポリタンを頼むと、店の人がくじを手に握ってやってきた。当たると一品サービスしてくれるらしかったが、外れた。
ナポリタンは昭和生まれが思い描く昔ながらのナポリタンそのものの味だった。サラダと味噌汁がついてきた。洋食屋っぽくていい。食後にコーヒーもついて、850円だった。コスパはまずまずだと思った。空いていたのは、あまりにも辺鄙なところにあるからだろう。隣に座った客がポークソテーを頼んでいた。横目で見た。なかなかうまそうだった。しばらく通ってみようと思った。

隠れ家洋食店は昔から好きだ。というより、昔ながらの洋食店は大抵隠れ家と言われるようなところにある。
そして、そんな店はどんどん閉店している。経営者が引退する年齢になっているところが多いのだ。
だから、あるとわかったら行くしかない。迷っている暇はない。

午後、仕事がなく暇だった。

夕方四時頃から雨が降ってきた。六時に仕事を終え外に出た時も、雨は強く降っていた。自転車を駐輪スペースから出して、傘をさしながら初台駅の西口まで歩いた。スペースに止めて鍵をかけ、ライトを取り外して鞄に入れ、京王線の地下ホームに下り、各駅停車に乗った。
電車が笹塚に着いた時、向かいのホームに高尾行きが止まっていた。しかし、乗っている電車のドアは、高尾行きが出発するまで開かなかった。時間調整のためだった。
ホームで少し待ち、次の電車に乗り換えた。夕方にしては待つ時間が長かった。そのせいか、明大前はものすごく混んでいた。駅の屋根を打つ雨音が一段階強くなっていた。

永福町に着いた時、雨は少しおさまっていた。駅構内のカルディコーヒーファームで輸入食品を眺めた。マスタードの棚でトリュフソルトを見つけた。トリュフマスタードはなかった。あったら買っていたと思う。
家まで歩いた。大宮八幡の前の通りに提灯がたくさん吊されていた。

ウエルシアでお好み焼きとスンドゥブのレトルトを買った。お好み焼きは昨日と同じものだった。落っことしたことがかなり強めの悔しさとなって残っていた。食い物の恨みに近い。落っことさずに食べることを数回経験しないと、悔しさは晴れないかもしれない。この意地の張り方はどこから来るのかと思う。

七時過ぎ帰宅。お好み焼きを出し、紙皿にのせ、なぜ落っこちたのかを検証した。温めたあとレンジから出す時に、紙皿の角と角を対角線上に持ったため、紙が折れ曲がり、滑り落ちてしまったのだと結論した。手のひらの外側と指先で紙皿の右辺と左辺を下から支えるようにして持つのが最適な持ち方だろうとも思った。
お好み焼きを温めた。その間、スンドゥブにだし汁を足し、冷凍したご飯を加えて雑炊を作った。雑炊ができる前にお好み焼きが温まった。レンジを開け、数分前に練習した方法で紙皿を取り出した。多少熱く感じたが、テーブルに運ぶまでなら我慢できた。添付されたマヨネーズとソースをぬり、復讐でも果たしたような気分でお好み焼きを食べた。
ガスレンジのアラームが鳴ったので雑炊の様子を見に行った。まだ汁がゆるゆるだったので、さらに十分間加熱時間を追加した。
お好み焼きを食べ終わり、少ししてから雑炊に卵を流し入れた。足しただし汁が多かったため、雑炊というよりスープに近いものになっていた。茶碗で二杯食べた。辛みと塩分が薄まったので丁度いいと思った。

十時過ぎ入浴。

『スタンフォード式最高の睡眠』読了。
この本を図書館で予約したのは昨年の8月だった。やっと順番がめぐってきて借りたのが昨日だ。最後の5章目、昼間の眠気について、なぜ昼間に眠気が起きるのかという原因を延々書いておきながら、対策が、ガムを噛む、コーヒーを飲む、っていうのには、さすがに呆れてしまった。サンマーク出版はこういう本の売り方が多い。スタンフォード式、って、ケリー・マクゴニガルの著書イメージのいただきだ。

Googleフォトにアップしてあるピンボケ写真を削除した。やり始めるとキリがない作業だ。

「進撃の巨人」最新話を読んだ。マーレ国編が始まった頃のガビは天真爛漫でかわいかったのに、最近は狂信者のようになっている。無理もないが。
しかし、虐げられる民のままでいた方が幸せだったという展開は、アイロニカルだと思った。

十二時半就寝。