夏の終わりの黒い肝臓会

寝苦しかった。
夜中に暑さで目が覚めたり、涼しさで目が覚めたりした。

10時に起きる。
風は涼しかったが、気温は32度を超えていた。

昨日作ったキッシュを食べた。
味が薄かったのでケチャップ、マヨネーズ、ソースをつけ、どれが一番合うか試した。
ケチャップが無難に合った。

午後、屋上で体を焼く。
日差しはもう、それほど強くなくなっている。

水シャワーを浴び、ガリガリ君を食べる。
この夏はガリガリ君を20個以上は買っているが、一度も当たりを引いていない。

夕方、久我山へ歩き、井の頭線で下北沢へ。
<黒い肝臓>面々で焼き肉。

メンバーの一人が看護婦を嫁さんにしている関係か、それとも皆の年齢が上がってきたためか、会う度に<健康診断>の話題が出る。

その彼は今日家を出る際、看護嫁に、
「また王将?」
とバカにされたそうだ。
「いや、今日は焼き肉だよ」
と少し得意げに反論したらしいが、おみやげにアイスを買って帰らねばならぬらしい。

「うちもそうや」
ともう一人が言う。

なぜ世の嫁は旦那にアイスを買ってもらいたがるのだろう。

「どんなアイスを?」
と質問すると、二人とも同じような答えだった。
「ハーゲンダッツ」
「レディーボーデン」
ラクトアイスやアイスミルクではダメということだ。

「まあ俺は自分の分として、白くまとかガリガリ君を買ってくんだけど」
それでも、嫁にそういうものを買ったら、絶対に怒られるのだという。

「もし、アイスを買って帰らなかったら?」
「翌朝、会話がない」

アイスが象徴するところのものはなにか?
世の亭主族は早急にその問題を検証するべきだろう。

店を変え、飲みながら話の続き。
ドラマが小学生の話し言葉に与える影響はとても高いという話など。
教師をやっている一人が言う。
「みんな真似するよ。その言葉の汚いこと汚いこと…」

11時過ぎまで、学生時代の話などをして盛り上がる。
どの話も、すでに繰り返し語られた話。
こうやって繰り返し語られると、エピソードの神話化が進むようだ。

12時帰宅。
焼き肉の後、桂花ラーメンやバーガーキングなどへ移行する<暴食コース>を選ばなかったので、お腹はそれほど苦しくはなかった。
満腹には違いないが、一晩で体重が4キロも増えるような満腹感はない。

夜風は涼しかった。
夏が確実に遠ざかっている。
そういえば今日は8月最後の土曜日だ。