おかずが行ってしまう店

東京マラソンのエントリー成否がわかるのは10月だ。
エントリーが決まればトレーニングスケジュールをより切り詰めて考えられる。
だが、エントリーできなかったらどうするか?

今オレにできることは、少しでも走って、エントリーをこちらに招き寄せることだ。
黙っていても宝くじには当たらない。

走って当たるのかっていう問題もあるが。

そんなわけで、血糖値の下がり気味な午前を過ごすことの多い今日この頃である。
体が炭水化物を切実に求めている。
だからご飯がうまい。

御徒町に『天天』という中華料理屋がある。
定食を出す、ありきたりの中華屋だ。
ただし、その店で定食を頼むと、ご飯がお櫃に入って出てくる。
おそらく2合はある。
「好きなだけ盛てくださーい」
店の女の子はそう言いたげだ。

ザーサイも、タッパーに入った状態で出てくる。
「好きなだけ食てくださーい」
お茶は、ペットボトルに入って出てくる。
「好きなだけ飲でくださーい」

その店に行き、豚肉とザーサイ炒めを頼んだ。
ご飯を食うために行ったのだから、味がごく普通でも文句を言わない私である。

以前この店で食べた時だ。
隣の席に客が座った。
オレの座っているテーブルとの間が狭く、客は窮屈そうにしていた。
構わずおかずに箸を伸ばした途端、店のおばちゃんがオレのテーブルを横にずらした。
「ちょと席離すねー、ごめんねー」
箸は空を切り、オレのおかずは遠ざかっていった。
オレはご飯と箸を持ち、おかずを追いかけて横移動した。

にもかかわらず、だからこそ、こういう店は好きだ。

夜、10時からジョギング。
芦花公園まで往復10K。