初日でハードな噛み

11時劇場入り。

場当たりの続きをする。
カーテンコールの音決めも兼ねていたが、やることはそれだけだったので、1時間以内に終了。
役者はゲネプロに向けて準備開始となる。

写真撮影におなじみの浅香来る。
本日初日の映像撮影のため、松島君もゲネを見に来る。

3時、ゲネプロ開始。
出番以外は客席で見るようにつとめる。
1話2話、それぞれ快調。
3話もとちりなし。だが台詞のぬけはあった。
4話は知恵ちゃん元気よし。

ゲネ後、本番に向けての指示を出してから役者は一時解散。
客席で浅香と話す。
「本番前にごめんね」
と小声で感想を色々話してくれる。

話している最中、劇場のブレーカーが落ちた。
尾池さんと星ちゃんが対処にあたる。

篠原さんに電話する。
留守電にメッセージを入れる。
折り返し電話。
全部のブレーカーをいったん落とし、再び上げてくれとのこと。

尾池さんの追求で、漏電ブレーカーが落ちたとわかった。
その後、追求作業。
そのたびに何度かブレーカーが落ちる。

客席作りや掃除を盗みながら続ける。
犯人機材を特定できる寸前に、ブレーカーが落ちなくなった。

撮影の松島君来て、機材セッティングをする。
7時だった。
客席作りや掃除を慌ただしく終える。
集合して挨拶もできぬまま、開場となる。
大丈夫だろうか?
不安で一杯だった。

前説をやる。
舞台に上がってやるのは初めてのことで、えらく緊張してしまった。

受付はトラブルなく、開演となる。

舞台裏でやりとりに耳をすませる。
緊張で声がうわずっているような気がした。
漏電ブレーカーが落ちないか気にしながら、3話で自分の出番となる。

前説と比べれば、緊張感はほとんどなかった。
というより、役者として舞台に上がることで、待っている時よりホッとしたのは初めてのことだった。
実に落ち着く。
照明は暖かいし。
温泉のようだ。

だが、後半台詞を噛む。
5年振りクラスの、ひどい噛み方。
「(ベランダに行くと)取り返しがつかなくなるような気がして」
と言わねばならぬところを、
「とり、とりか、ダに行くと、とり、なく、えるよう、して…」
と言ってしまう。
なにがなんだかわからない。
鶴マミがすかさず次の台詞でつなげてくれた。
3話が終わり、4話を裏で聴き、客出し音楽を流し、挨拶をしたあたりで、悔しさがこみ上げてきた。

10時半に和民で初日打ち上げ。
乾杯の挨拶をする。
「ひどい台詞の噛み方をしました。すみません。乾杯」
よりによってビデオ撮影の日に。
撮影の松島君に、
「アテレコ、無理かな?」
と聞くが、相手にされず。

12時まで飲む。
明日は、役者は5時入り。
ゆっくりできるだろう。

1時帰宅。
ともあれ明けたことにホッと一息つく。
噛んだにせよ。