ジュリー祭り

8時に起き、二度寝して1時過ぎに家を出る。
ラーメン大で野菜増しを食べる。

2時半にジュリーのドームコンサートを観るため東京ドームへ。
水道橋からの陸橋を歩き、コーヒーを飲んで気持ちを落ち着けてからドームに入る。

1塁側席の、割に見やすい席だった。
が、もちろんアリーナとは比べものにならないほど、舞台は遠い。

3時になり、おもむろにジュリーは登場した。
赤い羽根飾りをつけていた。
ヴィジョンに映る姿は、ひと頃よりもかなり痩せていた。
節制したのだろう。

「今日は80曲歌います」
というMCで、会場は盛り上がる。

前半途中からタイガースメドレーになった。
『シーサイドバウンド』で盛り上がる。

時代順に曲は進む。
鐘の音のようなギターのイントロでドキッとした。
PYGの『花・太陽・雨』だった。
オリジナルのアレンジに忠実な演奏で、ジュリーのボーカルは37年分の円熟味が加わり、実に良かった。

夕方6時過ぎに前半終了。
隣の席に、70歳過ぎと思われる女性ファンが座っていたが、タイガースメドレーが終わってしばらくすると帰ってしまった。
体力的につらかったのかもしれない。

休憩時間はおよそ30分弱だった。
トイレの行列が長かった。
野球やプロレスと違い、女性客の比率が高いためだろう。

ポップコーンとコーヒーを買って席に戻ると、いきなり後半が始まった。

今年出たアルバム『ロックンロールマーチ』から全曲やった。
タイトル曲はかなり盛り上がる。

立ちたくでうずうずしていたのだけど、周囲360°ことごとく年長者という有様で、手拍子が精一杯だった。
少し離れたブロックは多いに盛り上がっており、うらやましく眺めた。

ところが、曲の力というのはすごいもので、『危険なふたり』のイントロが流れた途端、華やいだ声を上げておばさま達が立ち上がり、ウェーブのようにそれが広がった。
チャンスとばかりに立つ。
『ダーリング』『サムライ』『カサブランカダンディ』『勝手にしやがれ』といった全盛期の曲をやった。
『時の過ぎゆくままに』をやった。
『ヤマトより愛をこめて』までやった。

キャリアの、棚卸しだ。
蔵出し在庫一掃だ。
祭りだ。

立ち上がって騒げたからか、後半の方が時間の経つのが短かった。
全80曲プラス1曲を歌い終えたジュリーは言った。

「12月3日・・・」

しんとなる。

「・・・仏滅」

どっと受ける。

「この日を忘れません」

拍手であった。

歌いも歌ったり。
聴きも聴いたり。

80曲。
途中一度も息を切らさず、時には走り回って歌っていた。
奇跡を見るようだったと、終わってから思う。
見ている時は当たり前のこととして受け入れていた。

80曲。
ジュリーほどのキャリアがある人がそれだけ歌えば、ただの懐メロコンサートにはならない。
今でも現役なのだから、当然最近の曲もたくさん歌う。
これが、すごくいい。

(歌、超うめえ)

と、ボーカリストとしてのジュリーを満喫できる。

良かった。
あんなすごいことをやられたら、誰も文句は言えない。
一つの到達点であり、境地だ。