罠を引き返し

今年の11月は、まれに見るほど雨が多かったと思う。
ずいぶん昔の記憶だが、マグの旗揚げ公演をやった年の11月は、ほとんど雨が降らなかった。

今日も雨。
精神的にも肉体的にも、非常に調子が狂う。

夕方、駒沢で稽古。
獲物を逃がしてしまうシーンがあり、立て直すのに苦労している。
わざと逃がしたのであればすました顔をしていられるのだが、へまをして逃がしたとなると、生理的なばつの悪さと居心地の悪さがしばらく続き、次の台詞が言いづらくなる。

抜け目のない人間という設定があり、演じながら自分がそうだと信じつつあるため、へまをした瞬間、
(俺ともあろう者が、こんなへまをするなんて)
と、頭が真っ白になってしまうのだ。

たぶん、へまをしたと感じる作り方に罠があるんだろう。
別の方向を探る。

稽古後、過剰なイルミネーションを施した民家の前を通る。
こういうのは一度はじめると止まらなくなrんだろうなと思いながら、写真に撮る。

11時半帰宅。

『おかしな男 渥美清』読了。
小林信彦の<喜劇人本>の中では、公私における<私>の割合がもっとも高い作品だと思う。
ラストがいい。