迷い迷いて難儀をいたす

7時半起き。
肉体の疲労が回復されず、筋肉のあちこちに淀んでいるような気がする。

『月は無慈悲な夜の女王』を昨夜読み終わった。
未来の月世界を舞台にした革命劇。
成功に終わるところがアメリカ的。
嫌いではない。
井上ひさしと正反対だ。

井上ひさし『吉里吉里人』みたいなラストは嫌いだ。
意味のある敗北に思えない。

勝利!勝利!勝利!は、うざいが、
敗北…敗北…敗北…も、うざい。
勝ち負け以外の軸はないだろうか?

夕方、下馬で稽古。
ネットで場所を調べるが、またしても別の場所に着いてしまった。
同じ地名の稽古場が二つあるため、紛らわしいことになっている。

歩いて、正しい方の稽古場へ行く。
気をつけないと見落としてしまうような所にあった。
着いてすぐ、後半の稽古。

役作りにおいて、人間の<隙>を見せる工夫を普段はしているため、今回の役は正反対で、いつもと違うところに気をつけなければいけない。
いつも通りやると、人のよさみたいなものが出てしまう。
いかにも悪っぽく演ると上滑りしたものになるだろうから、台本をとっかかりにして周囲を眺め、見下す視点をひとつひとつ増やしている。
もっとも一方向で終わる話ではないので、なかなか複雑なのだが。

10時終了。
小雨が降っていた。
11時過ぎ帰宅。

小林信彦『おかしな男』再読。