中止

風の音がうるさくて、夜中に何度か目を覚ました。
耳栓をしてみたがあまり効果はなかった。
6時に起きる。
風の勢いはややおさまっていたが、外は雨が降っていた。
朝飯を食い、6時半過ぎに家を出る。

荻窪駅で、埼京線が風のため運転を見合わせていると知る。
高田馬場経由で池袋まで行き、そこから埼京線に乗り換えるのが最短ルートだが、池袋で足止めされる恐れがあった。
遅くとも8時30分には会場入りしたかったので、別のルートで確実に行ける方法を考え、GoogleマップとYahooの路線情報を調べる。
高円寺から環七経由で赤羽行きのバスに乗り、中山道で降りてからタクシーに乗り換えるのが、もっとも交通費が安く済む方法に思われた。

高円寺で降り、タクシー代のために銀行のATMを探すが、見つからなかった。
コンビニのATMに入るが、その時間はまだ引き出しを受け付けていなかった。
仕方ないのでクレジットカードの1回払いで1万円を引き出す。

赤羽行きのバスに乗り、時計とGoogleマップを見比べる。
環七を北上するだけなのだが、中山道までは結構距離がある。
いつまで経っても中山道に着かない気がした。
初めからタクシーに乗れば良かったかと後悔する。

8時過ぎに大和町の交差点で下りる。
都営地下鉄の入口があった。
そこから地下鉄で戸田橋近くへ行くこともできたが、待ち時間や駅から歩く時間を考え、予定通り中山道でタクシーを拾う。

運ちゃんと話す。
「今日、荒川市民マラソンなんですよ」
「どこでやるんですか?」
「戸田橋から荒川を下って、船堀の方まで往復するんですけどね、スタートが9時なんですよ。でも昨日、風すごかったでしょ。電車が止まっちゃっているんで、これはタクシーしかないなと思って」
「へえー、そんな大会があるんですねえ」

すっかり打ち解けた頃、タクシーは戸田橋のたもとに着いた。
「頑張ってください」
という運ちゃんの激励を背中に聞き、土手の坂道を上る。
時刻は8時30分だった。
ぴったり。

ゼッケンをつけたまま、坂を下りて来る人達がいた。
一人や二人ではなく、結構な人数だった。
交通機関の乱れによる、スタート時間の延長だろうか。
坂を上りきり、河川敷グラウンドを見下ろしてはじめて、事態はそれどころじゃないとわかった。
中止だ。

受付テントの方まで歩く。
ボランティアのおじさんが、
「コースの設備が壊れちゃったんですよ。そうなると走るランナーさんの安全も保証できなくなってしまいますので、中止ということになりました」
と説明していた。

すでに設備の撤去が始まっており、トラックが土手沿いの道に停まっていた。
ステージやテントを回り、傾いたり曲がったりした骨組みを写真に撮る。

自然の力

テント倒壊

曲がった骨組み

自然の力

これはもう、しようがない。

浮間舟渡駅まで歩く。
埼京線のダイヤはまだ乱れていた。
馬場では降りず新宿へ。
開店直後の西口ビックカメラで、ブラザーのプリンタを購入。
4年以上使ってきたおんぼろレックスマークが昨年末ついに壊れてしまった。
台本印刷や資料のスキャンにぴったりなのがブラザーだったというわけ。
持ち帰りを希望。
重かった。
地下で桜餅を買う。
荻窪から家に帰るまでは、箱を抱き抱えるようにして歩いた。

11時半帰宅。
コーラを飲み、桜餅を食べて小休止する。

プリンタのセッティングをし、午後は本を読んで過ごす。

ネットで4月5月のフルマラソン大会を検索してみたが、4月下旬や5月上旬ではもう駄目だ。
マグ公演が終わると夏だからフルの大会はない。
となると秋だ。
とりあえず、8月末の北海道マラソンあたりに照準を絞り直そうと決心する。
今回の大会は中止になったが、自分がどのくらいのタイムで走れたかを推測することはできる。
おそらくネットタイムで4時間を少し切るくらいだったろう。
去年とあまり変わらない。
が、そのくらいのタイムで走れるようになるためのトレーニングを半年間続けることや、天候不良による走り込み不足といったメンタル面の試練は、大会にエントリーしていなければ経験できなかった。
重要なのは、マラソンとして走っているのではなく、演劇の稽古負荷として走っているのだということだ。
結果よりプロセスなのだ。

とはいえ、本来死にそうな目に遭うはずであった午後が、そうでなくなったことには、戸惑いがあった。

夕方6時30分、小金井に行く。
連雀通りのジョナサンで、細田くんとチラシの打ち合わせ。
今回はハードボイルドな芝居になる。
暴力的な芝居ではない。
普通に生きている人間が持つ、他人に見せずにいる芯の強さだとかを、直接的ではなくさりげなく伝えるような芝居にしたい。

9時近くまで話す。
頑張ってつまらない作品を作ろうとしても、そうそう作れるものではない。
クリエーターは、自分がダメなものを作ってしまうのが絶対に嫌なはずだし、そうならないための努力はお金どうこうの話ではなく、自分からやるだろう。
別の立場の人間が横車を押すことで、その作品は努力しても作れないほどひどいものができてしまうのではないか。

などなどの話をする。

外に出ると気温がかなり下がっていた。
10時帰宅。

mixiやtwitterで荒川市民マラソンの記事を検索してみた。
今回の中止については、仕方ないという意見の人がほとんどだった。
自主的に同じコースを走った人もいたらしい。
給水がないのはしんどかったろう。
それとも仲間が車で給水ポイントを作ってくれたのだろうか。

3時就寝。

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