『ウッドストック』観る大晦日の夜

朝、屋上に上がってアンテナの確認をしてみた。
ケーブルが数本つながっていたが、新しくもう一本付け足すには配線をいじるしかなさそうだった。
もし長い同軸ケーブルを足せばつながるのだったら、20メートルくらいのを買ってきて直接部屋に引き込もうと思ったのだが、どうやら無理らしい。

西友へ買い物に行く。
エビの天ぷらとかき揚げを買おうとしたのだが、一つ300円もした。
たかが天ぷらに、随分とぼったくりやがる。

腹が立ったので別の店に行き、かき揚げを一つとエビの天ぷらを二尾買った。
どちらも一つ200円だった。

昼前に帰宅。
卵かけご飯で朝昼兼用の食事をする。
小休止してから、風呂掃除。
すのこをひっくり返し、床や隙間をきれいに掃除する。
意外なことに20分ほどですべて終わった。

ベランダの拭き掃除をする。
細かいゴミやすだれの切れ端が、エアコン室外機の陰にたまっている。
それらを掻き出し、濡れ雑巾できれいにした。

近所のドラッグストアに行き、台所用洗剤を買う。
文房具屋でA4のコピー用紙を買い、セブンイレブンでシュークリームを買う。
家に帰り、コーヒーを飲んでシュークリームを食べる。

4時過ぎ、サウナスーツに着替え、走りに行く。
走る前に筋トレをする。
腹筋・背筋・腕立て。
次回のマラソンは、走るだけじゃダメなような気がするのだ。

久我山を通り、甲州街道まで往復する。
10キロコース。
甲州街道から戻る頃に日が沈み、家に着いた時はもう暗かった。

風呂に入り、年越しそばの支度をする。
そばは食べられないので、いつものようにうどんで代用。
出汁多め、醤油少なめのつゆで、かき揚げをのせて食べる。
うどんの量が思った以上に沢山あった。

『ウッドストック』見る。
THE WHOやジミヘンの出演シーンを抜粋したものは見たことがあったが、全体を通して見るのは今回が初めて。
会場アナウンスが面白い。
係員が骨折したり、客が出産したり。
30万人も集まれば色々あるだろう。
広大な農地にこつ然と現れたヒッピーの町のようなものだ。

THE WHOのシーンは見たことがあったが、映画の一部として見ると、待ち望んでいたバンドが登場したような興奮を覚えた。
アルバム『TOMMY』を出した頃で、演奏力が絶頂期にさしかかっている。

1枚目を見終わった時点で小休止。
紅白はPerfumeだけ見られれば良かったのだが、ストリーム配信がされているわけでもなかったので、出演シーンをラジオで聴いた。
大晦日にバイトをしていた二十代の頃を思い出した。
有線放送で紅白を流していたっけ。

DVD2枚目を再生する。
スライ&ザ・ファミリー・ストーン、ジョー・コッカー、ジャニス・ジョプリンなど、歴史的なステージが続く。

合間合間に、フェスティバルそのもののドキュメンタリーが流れる。
仮設トイレの掃除に来たおじさんの映像が面白かった。
汚れた便座を吹き、タンクをくみ取り、黙々と働きながら、
「やらないわけにはいかない」
そんなことを言っていた。
ヒッピーの主義も理想もロックミュージックも、このおじさんにはよくわからないだろう。
だが、やるべきことを黙々とやる姿は、えらくクールに見えた。
「子供もここに来てるんだ」
おじさんはそう言うと、にこっと笑って去っていった。
かっこいい。
直後、別のトイレの扉が開き、ラリったヒッピーがヘラヘラ笑いながら出てきた。
思わず
(ばかもん!)
と、心の中で叫んでしまった。
間が悪いヒッピーだ。

ラストのジミヘンを見て、映画は終了。
頭がボーッとしていた。
年越しには少し早かった。

THE WHOの演奏シーンが見たくなったので、昔買ったワイト島ライブのビデオを見た。
ロジャーがマイクをぶん回し、ピートは「人」という文字みたいにジャンプし、キースは雷小僧みたいにドラムを叩きまくり、ジョンは骸骨スーツでほとんど動かずすごいベースを弾いている。
フーは、演奏している姿を見ないと魅力が半減するバンドだとつくづく思う。

『ウッドストック』『ワイト島ライブ』と連続で見て年を越した人は、あまりいないんじゃないかと思う。

1時前、フラフラになって寝床に入る。